工学部研究紹介2026
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27除除雪雪のの苦苦労労をを解解消消−−ハハイイブブリリッッドド融融雪雪舗舗装装⼈⼈とと環環境境ににややささししいい−−⼟⼟系系舗舗装装最近の研究トピックス初期状態凍結融解を繰り返した土系舗装サンプルのX線CT画像凍結して氷の中に閉ざされたサンプルをX線CTスキャナで撮影することによって、サンプルの膨張変形や内部クラックを可視化。サイクル数の増加とともに、膨張変形が大きくなり、内部クラックが発達していく。そのような過程を詳細に検討することができる。人造黒鉛無添加粒状の人造黒鉛を添加した無散水融雪舗装の表面温度熱伝導率の高い材料である人造黒鉛を添加したコンクリート舗装用を、長野県内で事例の多い無散水融雪舗装(舗装内に地下水を循環するパイプを敷設)に適用。屋外実験において融雪効果を確認した。研究キーワード機能性⼟系舗装・ 融雪舗装 ・ 地盤補強技術 ・ 斜⾯保護技術・ 不飽和⼟の⼒学特性⼟系舗装、ハイブリッド融雪舗装のいずれも、冬季において凍結しない路⾯を確保し、⼈や⾃転⾞がスリップ事故の発⽣を抑制することを⽬指しています。本研究の成果は、⼈にも環境にもやさしい歩⾏者⽤舗装として、健康⻑寿が望まれる⾼齢化社会へも⼤きく貢献できます。卒業⽣の多くは、国⼟交通省、県庁、市役所などの官公庁(公務員)、建設会社や建設コンサルタントなどの建 設 業 界 、 JR や NEXCO な ど の 交 通インフラ業界に就職し、⼟⽊技術者として地域や社会に貢献しています。⼤学院に進学する学⽣も年々増えています。ハイブリッド融雪舗装の融雪状況⼟系舗装の施⼯例九 州 ⼤ 学 ⼯ 学 部 卒 業 、 同⼤ 学 院 修 了 、 信 州 ⼤ 学 ⼯学 部 助 ⼿ 、 学 内 講 師 、 助教 、 准 教 授 を 経 て 、 現 職 。主 な 研 究 分 野 は 、 積 雪 寒冷 地 に 適 し た 新 た な 舗 装材 料 の 開 発 、 粘 ⼟ の ⽔ 分保持特性の評価など。中学⽣、⾼校⽣のとき、愛媛県から⾹川県に列⾞通学しました。通学列⾞の⾞窓から建設途中の瀬⼾⼤橋や⼤橋に繋がる鉄道の⾼架化の⼯事を⾒て、「⼟⽊⼯学」という分野を意識するようになりました。⼦供の頃から図画⼯作やプラモデルなどの「ものづくり」が好きだった私にとって、⼟⽊分野は、つくるものが壮⼤で地図にも残る、つくるまでの過程も⼤規模である、ということで⾮常に魅⼒的でした。⾃分もそんな仕事に携わってみたいと思い、この分野を選びました。 補強材のクリープ変形に伴う補強土のせん断強度の増加特性画像を配置画像を配置4サイクル目人造黒鉛10%添加河村研究室では、最も⾝近な⼟⽊施設である舗装、橋や建物などの構造物を⽀える地盤を対象とした研究を⾏っています。豪雪地帯では、除雪作業が住⺠や⾃治体にとって⼤きな負担となっています。舗装の熱伝導率を⾼めることによって環境負荷を低減したハイブリッド融雪舗装の開発を⽬指しています。歩⾏者⽤舗装として公園や歩道に適⽤されている⼟系舗装は、⾼い保⽔性のため積雪寒冷地ではひび割れなどの凍害劣化が懸念されています。凍害劣化に強い⼟系舗装に必要な材料や施⼯法の開発を⽬指しています。研 究 シ ー ズ 土の保水特性と吸水特性の定量評価 土木用不織布によるキャピラリーバリアの斜面防災技術への適用 土木用不織布の長期圧縮特性の定量評価 積雪寒冷地に適用した機能性土系舗装の開発 X線CT画像解析を用いた土系舗装の凍結膨張による内部ひずみの定量評価と凍害劣化メカニズムの解明 人造黒鉛を添加した高熱伝導コンクリートの開発 人造黒鉛を用いた融雪舗装に関する研究(民間企業との共同研究) 機能性土系舗装の寒冷地への適用に関する研究(民間企業との共同研究) 土砂災害防止に用いる排水用不織布の不均一性と圧縮クリープを考慮した透水係数の評価(科研費基盤研究(C)) 土系舗装の凍害劣化におけるX線CT画像解析と細孔径測定による現象と機構の解明(科研費基盤研究(C)) 豪雨時の斜面防災技術のための高分子通気防水シートを用いたキャピラリーバリアの構築(科研費基盤研究(C)) 圧密履歴の異なる粘土の収縮特性とその骨格構造の予測への応用(科研費若手研究(B))の評価に関する研究(科研費若手研究(B)) 空洞膨張論を用いたジオグリッド補強土の応力・変形分布の予測に関する研究(科研費若手研究(B))QRを配置10サイクル目人造黒鉛20%添加私の学問へのきっかけ教授 河村 隆顔写真を配置共同研究・外部資⾦獲得実績研究から広がる未来卒業後の未来像

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