工学部研究紹介2026
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野﨑研究室では、自然界に生息する微生物から有用な酵素を見つけ出し、バイオマスの分解と利用などに活用する研究を行っています。バイオマスは再生可能な資源であり、主に微生物の酵素によって分解されます。この分解システムは、生物が長い進化の過程で獲得してきた効率的なものです。人類がこれをうまく利用するためには、必要な酵素を取り出し、大量生産し、さらには活性や機能、安定性を上げることによって、目的の化学反応に適した酵素に改良する必要があります。我々とともに工学部でバイオの研究をしてみませんか。⽣⽣体体触触媒媒 ““酵酵素素”” のの謎謎ににせせままるる遺遺伝伝⼦⼦組組換換ええ技技術術にによよるる酵酵素素のの改改良良とと応応⽤⽤21研究キーワード酵素 ・ バイオマス ・ 微⽣物 ・ 遺伝⼦最近の研究トピックスアミノ酸変異によって酵素活性を上げることに成功した私の学問へのきっかけ准教授 野﨑 功⼀研究から広がる未来卒業後の未来像微⽣物からDNA を抽出している実験( 左)とクリーンベンチ内で遺伝⼦組換え微⽣物を寒天培地に植えている⼤学院⽣(右)酵素セルラーゼで分解した様々なセルロースの顕微鏡写真北海道⼤学を卒業後、信州⼤学助⼿を経て、2005年より現職。⻘森育ちで⾃然と⽥舎を愛する。専⾨分野は、酵素化学、遺伝⼦⼯学。微⽣物酵素の基礎と応⽤の研究を⾏う。研研 究究 シシシ ーー ズ共同研究・外部資⾦獲得実績(民間企業との共同研究)(民間企業との共同研究)(財団助成金)(信州大学大学・グリーンイノベーション研究支援事業)(NEDO,研究委託)微⽣物は⼈類にとって有⽤な酵素を⽣産しています。野﨑研究室では、微⽣物のバイオマス分解酵素の⽣産性を上げたり、遺伝⼦組換え技術で酵素の性質を改良する研究を⾏っています。これにより、環境調和型の化学プロセスが実現できると考えています。酵素の利⽤分野は、化学、医薬、⾷品、農業、繊維や環境など多岐にわたっています。また、研究室で習得できる実験技術は、化学系や⽣物系などの企業で活⽤できます。より⾼度で専⾨的な研究を⾏うため、修⼠課程や博⼠課程の⼤学院に進学する学⽣もいます。⻘森の⾃然の中で遊び育ってきました。中学校では科学部を作り,⾼校では⽣物部の部⻑を務め,その興味はますます⾼くなっていきました。⼤学に進学して地元を離れたとき,その⾃然豊かな光景は,ごく限られた地域にしか残っていないことに気づきました。⼤学の講義では,⽣物の精密機械のようなシステムに感激し,学⽣実験では⽣物触媒「酵素」に魅了されました。気づいた時には,研究にドップリとはまっていました。n 酵素反応の解析n 酵素の探索,単離や利用n 酵素の生産性の向上n バイオマスの酵素分解,有効利用n 微生物の同定(遺伝子解析)n 生物(微生物,植物)が関係した化学的現象の解明や利用n 遺伝子組換え生物の作製l あんずの有効利用に関する共同研究(地域・民間企業との共同研究)l 酒粕の有効利用を目指した機能性成分抽出法の開発l 酵素を使った人工染料脱色技術の開発l キノコ培地酵素を利用した染料排水処理技術の開発l 担子菌キノコの潜在能力追求による新規バイオ燃料製造プロセスの開発l 糸状菌セルロース膨潤タンパク質の機能解析(科研費・基盤C)l セルロース系エタノール生産システム総合実証事業l 糸状菌セルラーゼ生産量増強システムの構築(科研費・基盤C)l セルロース分解を促進する新規タンパク質の解析(科研費・基盤C)l 生分解プラスチック分解菌と分解酵素の探索(民間企業との共同研究)

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