11▶研究研究キーワード私の学問へのきっかけリポソーム ・ 脂質⼆分⼦膜 ・ ⼈⼯細胞 ・ 細胞類似マイクロ化学システム教授 奥村 幸久の形成・修飾・応用成技術構造の形成技術共同研究・外部資⾦獲得実績研究から広がる未来卒業後の未来像⾼校⽣の頃から化学は 特に好きな科⽬でした。 当時は、持っている物質からまだ⼿ にしていない別の物質を作り出す合成化学に興味がありました。 「錬⾦術」(に近いこと)が⾃分の⼿で実際にできるわけです。 本格的な化学研究は知識以外に化学物質や実験設備が必要なので、⼤学でなければ修得が 難しい技術の 1つです。また、化学を学べば医薬、 ⽣命科学、材料など関連する他 の分野ともかかわる事ができるという点も進路選択にあたり魅⼒を感じました。京都⼤学助⼿、信州⼤学助教授を経て2012年より現職。研究分野は有機化学を背景とした分⼦集合体化学、特に脂質⼆分⼦膜⼩胞(リポソーム)化学。⾼度な細胞類似マイクロ化学システムは、擬似細胞をマイクロマシンとして利⽤する新治療法や 無毒性の「農薬」など、⽣命現象と関わる分野の技術⾰新につながります。 将来にわたる研究と 開発が必要となる重要な課題です。卒業⽣は、化学につながりを持 つ様々な分野で活躍しています。 研究室では研究活動を 通して、事象を深く観察する、 論理的に考察する、 物事を的確に伝えるなど、分野によらず共通して必要となる能⼒を 伸ばすことを⼤切にしています。巨⼤リポソームの 形成実験の様⼦。巨⼤リポソームは 細胞と同程度の⼤きさを持ち、光学顕微鏡で直接観察することができる。巨⼤リポソームに 対するマイクロマニピュレーション。⼈⼯授精などと同様に 、極細のガラス針を通して物質を注⼊するなどの操作ができる。⼈⼈⼯⼯細細胞胞ををめめざざししてて−−細細胞胞類類似似ママイイククロロ化化学学シシスステテムム科学の進歩によって、細胞が化学的原理に基づいて働くシステムであることが明らかになり、同様の化学的原理を⼯学的に使い、細胞と似たマイクロ化学システム(⼈⼯細胞)を⼈の⼿でつくりだそうという流れが⽣まれました。研究テーマの1つは、このシステムにおいて細胞膜にあたる役割を果たし、⼈⼯細胞構築の基盤となる脂質⼆分⼦膜⼩胞(リポソーム)構造の開発です。研研 究究 シシシ ーー ズn 非天然型構造を持つ人工脂質の合成n 天然および人工の脂質から脂質二分子膜小胞(リポソーム)n ハイドロゲル粒子上へのリポソームの固定化n エレクトロフォーメーション等による、巨大リポソームの形n マイクロマニピュレーション等による、巨大リポソーム内部l 「人工細胞集積・複合化システムの構築」(科学研究費補助金)l 「ソフトでウェット」なマイクロ化学システム-人工細胞の構築」(科学研究費補助金)l 「細胞類似型マイクロ化学システムをめざした次世代人工細胞膜モデルの研究」(科学研究費補助金)画像を配置画像を配置◀ エレクトロフォーメーションで形成した脂質膜小胞(リポソーム)(Y.Okumura他,Membranes, 1, 345)◀ エレクトロフォーメーションで形成した脂質膜積層構造体(Y.Okumura他,Membranes, 1, 345)QRを配置最近最近ののの研究研究トピックスマイクロマニピュレーションによる半球状脂質膜小胞内部への膜小胞形成(Y.Okumura他,Membranes,1, 265)
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