工学部研究紹介2026
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(𝑢𝑢 + 𝜕𝜕%&漸近解析のイメージ。波形の変化を追跡する。𝜕𝜕"𝑢𝑢 − 𝜕𝜕%即ち、右図の関数の正体を「数学的」に調べる。114l 最近では主に、散逸・分散・移流の三つの効果を持つ非線形波動の数理モデルとして、一般化Burgers型方程式の解の漸近挙動の解析を行っている。特に、散逸効果や分散効果が空間異方的に働く場合、それらが解の挙動にどのような影響を与えるのかを解析している。l 北海道大学大学院に在学中、博士課程教育リーディングプログラムの一つ「物質化学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム」を修了しており、分野横断的な活動を数多く経験したことで、数学の研究に留まらない幅広い分野に関心を持っている。研研究究究究究究究究究究究キキキキキキキーーーーーーーワワワワワワワーーーーーーードド非非線線形形偏偏微微分分方方程程式式 ・・ 非非線線形形波波動動理理論論 ・・ 解解のの漸漸近近漸漸近近挙挙動動QRを配置画像を配置画像を配置私は⾼校時代、数学教師を⽬指し教育学部に進学しました。しかし進学後、教育学部の講義だけではなく、もっと深く数学を学びたいと感じるようになり、⼆年次に⾃ら⼤学の先⽣に弟⼦⼊りするなどして、⼤学数学を勉強するようになりました。その中で、⾼校数学とは違った、論理的かつ抽象的な数学の世界に魅了され、より本格的に数学の勉強をするため、当時の恩師の勧めで、北⼤の⼤学院数学専攻に進学しました。研究を続けていくうち、⼤学院の数年間では短いと感じるようになり、数学者の道を志しました。研研 究究究究究究究究究 シシシシシシシ ーーーーーーー ズズ共共同同同同同同同研研研研研研研研研研研研究究究究究究究究究究究究・・外外外外外外外部部部部部部部部部部部部資資資資資資資資資資金金金金金金金金金金金獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲獲得得得得得得得得実実実実実実実実実実実実実実実実績績新潟⼤学教育学部を卒業後、北海道⼤学⼤学院理学院の数学専攻にて博⼠(理学)の学位を取得し、2020年に信州⼤学⼯学部助教に着任、2025年より現職。専⾨分野は⾮線形偏微分⽅程式論。特に、波動理論と関連深い⽅程式の、解の漸近解析に精⼒的に取り組んでいる。偏 微 分 ⽅ 程 式 は ⾃ 然 現 象 を 数 学 の⾔ 葉 で 記 述 す る 道 具 の ⼀ つ と し て 、流 体 ⼒ 学 や 振 動 ・ 波 動 を は じ め とす る 、 物 理 や ⼯ 学 の 様 々 な 分 野 で現 れ 、 応 ⽤ 範 囲 も 多 岐 に 渡 り ま す 。偏 微 分 ⽅ 程 式 の 理 論 研 究 を 通 し て 、実 験 や 数 値 解 析 だ け か ら は 導 か れな い 新 し い 知 ⾒ が 得 ら れ ま す 。卒 業 後 は 企 業 等 へ 就 職 す る 学 ⽣ もい ま す が 、 ⼤ 学 院 に 進 学 し て 深 く数 学 の 研 究 を 続 け る ⽅ が 多 い で す 。本 研 究 室 で は 、 ⽇ 頃 の セ ミ ナ ー を通 し て 、 数 学 専 攻 に も 引 け を 取 らな い 本 気 の 数 学 指 導 を ⾏ い ま す 。純 粋 な 研 究 ⼒ に 留 ま ら ず 、 論 理 的思 考 ⼒ も 同 時 に 養 い 、 幅 広 い 分 野で 活 躍 で き る ⼈ 材 を 育 成 し ま す 。最最近近近近近近近近近近近ののののののののの研研研研研研研研研研研研究究究究究究究究究究究究トトピピピピピッッッッッッッククスス研究発表の様⼦。数学はスライドでの発表だけでなく、板書での発表も多く、⻑い場合は時間も90分など、丁寧な発表を⾏います。写真は中国の浙江⼤学に研究滞在した際の発表です。研究室でのセミナーの様⼦。数学系のセミナーでは、学⽣が勉強して来た専⾨書・論⽂の内容や⾃⾝の研究成果を、教員や他の学⽣達の前で発表します。発表内容に対して、教員から様々な指導を受け、数学的感覚「数覚」を培います。(当研究室は学⽣指導には⾃信があります!)私は⾮線形偏微分⽅程式を理論的側⾯から研究しています。その中でも、波動理論と関連の深い微分⽅程式に興味があり、それらの数学解析を⾏っています。特に、解=波形が時間経過に伴いどう変わるか、どのような関数で漸近的に近似できるかという「解の漸近挙動」に最⼤の興味を持っています。⼀⽅、周辺分野にも広く⽬を向けて研究しています。⾃然現象の多くは⾮線形であるがゆえに、⼀つ⼀つを個別に調べる必要がありますが、異なる現象も「⽅程式」という数学的⽴場で捉えると共通の性質が⾒えて来て、個別の現象の枠を超えた俯瞰的理解が得られるのも、この分野の魅⼒の⼀つです。顔写真を配置n 一般化Burgers型方程式の解の漸近挙動に関する研究n 散逸と分散を伴う非線形波動の偏微分方程式の数学解析n 日本学術振興会 科学研究費助成事業若手研究(2022年4月-継続中)散逸・分散を伴う非線形波の偏微分方程式の漸近解析n 日本学術振興会 科学研究費助成事業研究活動スタート支援(2020年10月−2022年3月)高次元における空間異方性を持つBurgers型方程式の漸近解析n 日本学術振興会 科学研究費助成事業特別研究員奨励費(2018年4月-2020年3月)分散効果を伴う粘性保存則に対する初期値問題の時間大域解の第2漸近形の構成→ 国際会議:第19回北東数学解析研究会において、当該研究内容の一部が「優秀ポスター賞」を受賞n 北海道大学 物質化学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム先端共同研究経費(2019年4月-2020年3月)Zakharov−Kuznetsov−Burgers方程式の解の漸近挙動に関する考察私の学問へのきっかけ准教授 福田 一貴非線形偏微分方程式論非線形偏微分方程式論~数学で読み解く自然現象~~数学で読み解く自然現象~研究から広がる未来卒業後の未来像&散散逸逸・・分分散散型型方方程程式式のの例例::KdV−Burgers方方程程式式= 0𝑢𝑢 + 𝜕𝜕% 𝑢𝑢

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