教育学部研究紹介2025-2026
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理科教育コースた けし たよ しひ ろて んけ んい ちさ かぐ ちま さひ こう えは らと しは る20【研究分野】地質学(第四紀学、火山灰層序学) 第四紀と呼ばれる地球の歴史の中で一番新しい時代(約 260 万年前〜現在)を対象として、大地の生い立ちを読み解く研究をしています。大地は不動ではなく、とてもゆっくりではありますが絶えず変化しています。2014 年の噴⽕(御嶽山)や地震(白⾺村)、2019 年の千曲川の決壊(長野市)、2021 年の⼟石流(岡⾕市)など、長野県内でも大きな災害が発生しました。しかし、このような現象こそが大地を変化させ、私たちが暮らす⼟地を生み出してきたのです。ですから、自分たちが暮らす大地のでき方を理解することは、被害を減らすことにもつながると考え、研究を続けています。 長野県の大地と石ころについて興味があれば↓(「信大石ころ」で検索してもヒットします) https://www.shinshu-u.ac.jp/project/chishitsuzu/【研究分野】物性物理学、科学教育 私の研究分野は「低温」「磁性」「超伝導」で、主に酸化物や金属化合物を研究対象にしています。「低温」にする、つまり物質を冷却していくことのおもしろさは、物質から熱エネルギーを剥ぎ取っていくことによって、室温では見られなかった(あるいは全く予想していなかった)不可思議な現象をあらわにさせることにあります。物質の電気抵抗がある温度以下で突然ゼロになる現象である「超伝導」もそのひとつです。「磁性」とは、磁場や温度が変化するときに、物質固有の「磁気モーメント」と呼ばれる物理量がどのように変わるかを調べる物理です。鉄のように磁石に吸引される物質は「強磁性体」と呼ばれ、よく知られていますが、この他にも、「反強磁性体」、「フェリ磁性体」、「常磁性体」、「反磁性体」などが知られています。【研究分野】神経生物学、理科教育学1. 神経系の構造と機能の解明http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/education/course/science/labo/biology/02.html  現在はショウジョウバエを用いてライブイメージング等を行っています。(写真 : 幼虫体壁感覚ニューロンの Kaede 蛋白による神経解剖学的解析例) 2. 理科教育研究。現在は生物学理解のため数学や物理学との関連性理解が重要だと想起させる教材の開発・研究を行っています。論文 : 教育学部理数教員志望学生に数学・物理学の必要性を意識させる生物教育:メンフクロウの音源定位の教材化 他【研究分野】理科教育学、教授学習心理学 小・中学校の理科の授業では、一般的に帰納的な「科学の方法」で問題解決学習や探究学習が行われています。けれど、観察、実験を通して、理論を支持する結果を積み上げたとしても、その理論が正当化される訳ではありません。また、「科学の方法」には、理論に対する反証など演繹的な方法もあります。後者の「科学の方法」を理科の授業にもっと取り入れれば、子どもたちは多様な「科学の方法」に触れることができ、「おもしろい理科の授業になるのでは…」と考えています。論文:「観察・実験の結果を演繹できる情報の有無が観察・実験に対する感情に及ぼす影響-中学 2 年生の「質量保存の法則」の実験を事例として-/「科学的知識の理解に対する操作的思考課題を導入した中学校理科の授業の効果-「知識の3 ⽔準」を観点として-」ほか教 授教 授准 教 授助 教【研究テーマ】盆地と山地の形成過程に関する研究/最終氷期の自然環境と人類の関わりに関する研究【研究テーマ】強相関電子系化合物の磁性と超伝導  【研究テーマ】ショウジョウバエ神経生物学/数学や理科各領域の関連性を想起させる教材の開発・研究【研究テーマ】演繹的推論をベースとする理科の教授学習法/知識操作による概念的理解の促進 欣竹下宏や天谷一坂口彦植原晴 健 雅 俊

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