主要学術研究業績主要学術研究業績前田豊・鎌田拓馬.2019.「Synthetic Control Method を用いた個別事例の因果効果の識別」『理論と方法』34(1):78-96.前田豊・金太宇.2019.「中国における廃品回収業への参入条件」『関西学院大学社会学部紀要』131:129-137.前田豊.2014.「比較対象選択と所得イメージ」『理論と方法』29(1):37-57.Yutaka Maeda and Atsushi Ishida. 2013.“Income Comparison as a Determining Mechanism of Class Identification: A Quantitative and Simulation Study Using Japanese Survey Data.”International Journal of Japanese Sociology 22(1):143-159今井章・Y.ロセッテイ・P. レヴォル(2018). ディスクの回転による触覚の錯覚現象について(2) 信州大学人文科学論集, 5(52), 41-49. コインを指で回すとその直径が回している方向に延びて感じられる錯覚についての研究Imai, A., Takase, H., Tanaka, K., & Uchikawa, Y. (2016). Magnetoencephalographic correlates of apparent motion illusion of beta movement. Electronics and Communications in Japan, 99, 46-54. DOI 10.1002/ecj.11785. 仮現運動生起の神経基盤を脳磁図を取得して探った研究今井章・大内剛(2016). 地域の防犯における標識看板制作の試み─自転車盗難の防止策として─ 地域ブランド研究, 11, 1-13. 自転車盗難の防止策として心理学的な効果を狙った標識看板を作成し,その影響を調べた研究72012年3月関西学院大学大学院社会学研究科博士課程後期課程修了(社会学博士)。東北大学大学院文学研究科研究支援者,立教大学社会情報教育研究センター学術調査員・助教D,関西学院大学社会学部任期制教員C・Bを経て,2020年2月より信州大学人文学部助教。2022年4月より現職。1989年4月 日本学術振興会特別研究員(PD)1990年4月 名古屋大学文学部助手1993年10月 信州大学人文学部助教授2007年4月 信州大学人文学部准教授2010年1月 信州大学人文学部教授2013年4月 信州大学人文学部評議員・人文学部副学部長2017年4月 信州大学学術研究院人文科学系評議員・学術研究院人文科学系副学系長 社会学では,私たちが日々生活している「社会」を対象化し,理論・経験的に定式化・分析する方法論を学びます。こうした学問的な営みは,今後皆さんがどのような進路を歩もうとも,眼前に広がる「社会」をその立場に拘泥せずに相対的に見通す視座を提供し,多様な価値観がひしめく複雑化した今日の社会を生きる上で欠かすことができない柔軟な思考を涵養します。 基礎的な心理学研究が,すぐに現実の場面や職業選択で役立つわけではありません。しかし,視覚的な錯覚などの影響で交通事故が誘発されたり,動いているはずのものが「動いて見えなかったり」という私たちの認知的な仕組みは,いったいどうなっているのか,という「人の特性についての科学的理解」は,各種の「人を見る目」を必要とする職業一般において役に立つものなのです。図1 デルブーフ錯視●現在の研究テーマ1.階層意識論: 人々の意識や態度の形成過程について,所得などの経済的資源や学歴,職業などの社会的資源と関連づけて考えています。具体的には,資源の2.量的アプローチの拡張: 社会学では,量的社会調査データを用いる量的アプローチと,質的社会調査データに基づく質的アプローチの2つの方法が(大別して)あります。前田 豊 准教授●現在の研究テーマ1. 人が動いているものを「動いている」と知覚できるのはなぜか? 問いはシンプルですが,この問いに科学的な回答をするのはいまだに難しいのです。心理学的にこのテーマは運動知覚といわれていますが,このことに関する実験的な研究を,知覚的な視覚現象と脳の生理学的な反応(脳の磁場変化を捉える脳磁図)との対応づけを試みながら研究しています。2. 知覚には様々な錯覚が生ずることが知られており,錯視といわれて多くの研究がなされています。今井 章 教授分配状況を前提とし,資源から意識,態度に至るプロセスに介在している認知的な側面を分析の中心に据えて,量的社会調査データの統計的な解析,および数理モデルによる数理的解析からアプローチしています。現在進めている主なテーマとしては,社会における自己の主観的地位評価と他者比較との関連,日本の人的資源管理と外国人留学生の日本での定着志向との関連,ポジティブアクションによる資源分配と公平感・はく奪感との関連などがあります。この2つのアプローチ方法を,とりわけ量的アプローチ方法の拡張から,無理なく接合する方法論についても研究しています。研究から広がる未来と将来の進路図1は発見者の名前を冠した同心円錯視といわれるものですが,左側の外円は右の単円より少し小さく見えないでしょうか(実際には,物理的に同じ大きさで描かれています)。このように単純な幾何学的な図形で錯視が生ずることが知られており,この問題についてもいまだ心理学的に解決されていません。こんなことを研究しています。研究から広がる未来と将来の進路文化情報論・社会学コース●研究分野心理学・社会心理学コース●研究分野階層意識論,数理社会学,計量社会学生理心理学,実験心理学
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