●研究分野●研究分野主要学術研究業績主要学術研究業績4東京藝術大学音楽学部楽理科卒業,同大学大学院音楽研究科修士課程を経て,2008年,博士後期課程修了。博士(音楽学)。東京藝術大学教育研究助手,早稲田大学助教を経て,2014年より信州大学人文学部准教授。2025年4月より現職。1993年3月広島大学大学院文学研究科(中国哲学・インド哲学専攻)博士後期課程単位取得退学。1993年4月国立北九州工業高等専門学校(一般教育)専任講師。その後,同助教授を経て,2002年4月信州大学人文学部助教授。その後,同准教授を経て,2015年4月から同教授。 音楽それじたいはもちろん,音楽を取り巻く文化や人々をも研究射程に入れる音楽学。実践的なアプローチに加え,言語や歴史学など他領域との接続によって,ローカルにもグローバルにも対応できる「知識と自分の言葉」を養うことを目指しています。こうした基礎力と実践力を身に付けた卒業生たちは,民間から公務員まで幅広い業種で活躍しています。 「中国の古典」を読むということは,空間的にも時間的にも現代日本と大きく隔たった知の世界に触れる体験となります。その体験を通して,未来を見通す力や多文化共生の術が体得されたならば,それらは様々な進路に応用可能なスキルとなりましょう。【著書】 「感性を『統合』する―― 国民音楽からトルコ民俗音楽へ」小笠原弘幸編『トルコ共和国 国民の創成とその変容』九州大学出版会, 2019年, pp. 73-96. ―― トルコ民俗音楽の規範化への試みが、演奏実践上の変容と「地域様式」の確立への回路を形づくっていったことを論じたもの。 『トルコにおける「国民音楽」の成立』早稲田大学出版部,(モノグラフ83)2013年。 ―― トルコ共和国建国期において, 「新しいトルコ音楽」創出をめぐって何が起こっていったのか。そのプロセスを言説, 制度, 音楽の三つの視角から検証した博士論文をまとめたもの。【論文】 「ドイツにおけるトルコ系移民の音楽伝承にかかわる調査報告ードルトムントとベルリンを例に」信州大学人文科学論集6, 2019年, pp.33-48. 「近代西アジアの音楽とヨーロッパ音楽との交渉: トルコを中心に」(共著, 編集)他12名, 柘植元一, 植村幸生監修, 国立情報学研究所 ディジタルシルクロード 音楽編, 2015 年。http://dsr.nii.ac.jp/music/【著書】*湯浅邦弘(編集)『中国思想基本用語集』(ミネルヴァ書房2020年) 「第五章近世思想―朱子学・陽明学の世界―」の一部を分担執筆しました。*小路口聡(編集)『語り合う<良知>たちー王龍溪の良知心学と講学活動ー』(研文出版2018年) 長年に及ぶ共同研究の成果です。「語らない周夢秀を語るー王龍溪と嵊県の周氏ー」の執筆と,銭明「講学と講会ー明代中晩期の中国陽明学派を主軸としてー」の日本語訳を担当しました。*小島毅(監修)早坂俊廣(編集)『文化都市 寧波』(東京大学出版会2013年) 「東アジア海域に漕ぎだす」シリーズの第2巻です。同巻全体の編集をするとともに,第Ⅱ部第3章「思想の記録/記録の思想-寧波の名族・万氏についてー」とコラム「「中国のルソー」を育んだもの」「寧波の英雄・張煌言」を執筆しました。【論文】*早坂俊廣「劉宗周に於ける意と知-史孝復との論争から-」(『東洋古典学研究』第46集,pp.17-44 2018年) 明末の思想家・劉宗周の思想を最晩年の論争から読み解きました。口頭で伝承されてきたトルコ民俗音楽は,共和国初期時代を中心に五線譜化され,トルコ国民音楽の源典となっていきました。2017年のゼミでは,御柱祭の木遣りの調査をおこないました。写真は諏訪大社下諏訪町木遣保存会の方々とゼミ生たち。●現在の研究テーマ1.音楽における東西交流史 主にトルコを中心とする音楽文化圏において,とくに19世紀から20世紀にかけて西洋化・近代化2.音楽の伝承とその過程 現代という時間軸において,音楽伝統がどのように伝承されていくのか,音楽をとりまく人,記憶,濱崎 友絵 教授●現在の研究テーマ1. 宋から清にかけての中国思想史,いわゆる「朱子学」と「陽明学」を研究しています。こういう書き方をしますと,何だか朱子や王陽明を「偉2. いわゆる「朱子学」と「陽明学」では,「心」「性」「命」「理」などといった思想概念が議論の対象となります。こういった彼らの議論のさまを,早坂 俊廣 教授が音楽に及ぼした影響について,歴史的観点から研究しています。コミュニティなどをキーワードに検証しています。グローバルな観点からは,ドイツにおけるトルコ系移民の音楽の伝承について,ローカルな観点からは,信州,とくに松本の芸能と音楽(御柱祭の木遣りや神楽など)をめぐる伝承とその過程に関心を寄せています。研究から広がる未来と将来の進路い人」と崇め奉っているような印象を与えてしまうかも知れませんが,どちらかと言えばその逆で,彼らのような人たちがどういう脈絡(地縁,人間関係,記録の伝わり方等々)のなかで「偉い人」として描かれるようになっていったのか(専門的な言い方をするならば,「中国近世浙東地方における思想伝承・思想史叙述の様態」)を研究しています。可能な限り当時の脈絡に寄り添いつつ,しかし現代の日本に生きている自分自身が実感をもって理解できるように研究しています。言語体系も生活環境も大きく異なる「彼ら(未知の友人たち)」との「対話」を重ねていくことを通して,現代の日本に生きている自分の「立ち位置」を見極めたいと考えています。これが,私の考える「比較哲学」の実践です。研究から広がる未来と将来の進路音楽学中国哲学哲学・芸術論コース哲学・芸術論コース
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