人文学部研究紹介2025-2026
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●研究分野●研究分野研究から広がる未来と将来の進路研究から広がる未来と将来の進路主要学術研究業績主要学術研究業績 182018年3月 大阪大学外国語学部外国語学科英語専攻卒業2020年3月 大阪大学大学院言語文化研究科言語社会専攻 博士前期課程修了2023年3月 大阪大学大学院言語文化研究科言語社会専攻 博士後期課程修了 博士(言語文化学)2023年4月~2024年3月 大阪大学大学院人文学研究科特任助教(常勤)2024年4月 信州大学人文学部着任2007年皇學館大学大学院博士後期課程国文学専攻修了。中京大学国際教養学部非常勤講師,同朋大学文学部非常勤講師,皇學館大学教育開発センター助手,同文学部助手を経て,2013年信州大学人文学部准教授,2023年より現職。博士(文学)。英語圏の文学を学ぶことの意義は、多様なバックグラウンドや価値観を持つ人々/社会を知り、深い素養と鋭い洞察眼を持って、行動できるようになることにあります。大学の授業/研究では、単に文学を「読む」だけでなく、様々な意見に触れ、柔軟に思考したうえで、自らの意見を発信していくことが求められます。そのような経験をとおして、文学的な素養だけでなく、思索力、判断力、自らとは異なる「他者」を受容する力、発信力など、社会で活躍していくために必要な力を身につけることができるでしょう。 古典や歴史は,現代を生きる私たちとは切り離された遠い過去の遺物ではありません。自分たちは,遥かな過去から連なる歴史・文学史の最先端を生きているとの自覚を持って広い視野を保ち,未来への責任を自覚しながら,地に足の着いた思考能力を獲得してほしいと思っています。将来どのような道を選ぶとしても,そのような思考と人文知とは,きっと人生の大きな充実に繋がってゆくでしょう。1.“Creating Venus on Stage: Reconstructing Fragments in Suzan-Lori Parks's Venus.” The Journal of the American Literature Society of Japan, no. 19, Feb. 2021, pp.39-54.2. 「『父が戦場より帰還する 第一部・二部・三部』における白人優位性の転覆――スーザン=ロリ・パークスのパスティーシュ歴史劇」『アメリカ演劇』(33)2022年9月、79-96 頁3. “The Contagious ‘A’: The Mutual Interaction between Nathaniel Hawthorne's The Scarlet Letter and Suzan-Lori Parks's In the Blood.” EX ORIENTE, vol. 27, March 2023, pp. 105-21.4. “The Ever-lasting Process of “Rep & Rev”: Echoes in Suzan-Lori Parks's The America Play.” Journal of Interdisciplinary Humanities, no.1, March 2024, pp.241-55.《著書》『近世前期江戸出版文化史』(単著,文学通信,456p. 2020年)『假名草子集成』第67巻(共著,柳沢昌紀,花田冨二夫,冨田成美,速水香織編,東京堂出版,pp.121-195,2022年)『和本図譜:江戸を究める』(共著,日本近世文学会編,文学通信,176p. 2023年)《論文》「江戸書肆山口屋権兵衛の出版活動と上方浮世草子」(単著,『日本文学研究ジャーナル』21号,pp.96-110,2022年)HAYAMI Kaori. 2024. “Publishing Guidebooks about the Ise Pilgrimage in 17th and 18th Century Japan” In The Commercialization of Knowledge: Enlightening the Masses in Premodern Japan, edited by Stephan Köhn, Chantal Weber, pp.189-222. Harrassowitz Verlag●現在の研究テーマ現代アメリカ演劇を専門としています。現在の具体的なテーマは以下の通りです。1.スーザン=ロリ・パークスが目論む「歴史の書き換え」のメカニズムについて    アフリカ系・アメリカ人女性劇作家であるスーザン=ロリ・パークスは、「反復と改訂」と呼ばれる独自のドラマツルギーを用いて、白人優位の言説を脱したオルタナティブな歴史物語の創造を試みます。どのように歴史書き換えのメカニズムが稼働し、「歴史」が改訂され続けるのかという具体的な方法論を明らかにすることを研究テーマとし、包括的なパークス研究を完成させることを目指しています。2.劇的技巧や劇作法、劇構造について     演劇のひとつの特徴は、役者と観客がひとつの空間に共存することにあります。劇作家はどのように観客の意識を舞台世界へと巻き込んでいくのでしょうか。劇的技巧や劇作法、劇構造の分析をとおして、舞台と観客との関わりや劇の効果を明らかにすることを試みています。パークスに限らず、様々な劇作家に当てはめることのできる観客論を考察することが長期的な研究目標です。田所 朱莉 助教速水 香織 教授●現在の研究テーマ1. 江戸時代は,出版文化の発達に伴い大きな社会変容が起こった時代です。それは,人間の生き方・心のありようを映す文芸の内容にも顕れているとの観点から,特に17世紀に成立した浮世草子などの諸文芸や実用書ついて調査分析を行い,当時の人々の考えやものの感じ方の変容,さらには江戸から明治に至る,時代の大きな流れを明らかにしたいと考えています。2. 江戸時代の木版本を中心に古典籍の調査を行っています。最近は,長野県内に点在する古典籍の書誌調査や写真資料の調査を通じ,江戸時代から現代へと繋がる情報の伝達・保存の問題を考えています。英語文学・演劇日本近世文学・出版文化研究 英米言語文化コース日本言語文化コース

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