人文学部研究紹介2025-2026
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●研究分野●研究分野研究から広がる未来と将来の進路や『漢書』にでてきますが,宋代(960-1279)以降の使い方とはギャップがあります。こうした戯曲小説の変遷を,各種の作品群に即して研究しています。研究から広がる未来と将来の進路主要学術研究業績主要学術研究業績131996年3月 京都大学大学院文学研究科中国語学中国文学専攻博士後期課程学修退学平成9年4月~  信州大学人文学部専任講師平成22年4月~  信州大学人文学部准教授令和4年4月~  信州大学人文学部教授「“家”の日中比較―「家」と「実家」をめぐって―」 『信州大学人文科学論集』5号「親族名称の他称用法に関する現代中日対照比較――“「“其他”と「その他」」『信州大学人文科学論集』3号「“正”の表す「ちょうど」とは何か?―“正想VP1論集<文化コミュニケーション学科編>』42号「中国語の“偶然”に関するノート」『信州大学人文科学論集<文化コミュニケーション学科編>』40号「マルチメディア時代の外国語教育・III音声・映像再生装置の現状と課題  1.中国語のヒアリング―発音指導における機材利用について」 『信州大学教育システム研究開発センター語学教育カリキュラム研究開発プロジェクトマルチメディア時代の外国語教育』「“有”の談話的機能」 『中国語学』245号・清代後半を中心とした『水滸伝』の研究(単著)  2024年3月 2021年度~2023年度科学研究費補助金基盤研究(C)21K00324研究成果報告書別冊・『杜騙新書』訳注稿三編(共著)  2023年3月  「『杜騙新書』の研究」プロジェクト・続書を中心とした『水滸伝』の研究(単著)  2021年3月 2018年度~2020年度科学研究費補助金基盤研究(C)18K00351研究成果報告書別冊 中国語と日本語の違いを詳細に考察検討することで,それぞれの言語の特徴,ひいては物の考え方の差異までをも深く理解することを目指します。 観光から定住まで,様々な形でアジアの人々との交流がますます盛んになる社会においては,その人々について日本人との共通点・相違点を意識することが不可欠です。アジアの言語の一つである中国語について,日本語と対照しつつその特徴・性格を把握することは,その言葉の使い手である人々に対する理解にもつながります。このような人間に対する理解は,私たちの暮らす社会を作る基盤になると考えています。 温故知新(ふるきをたずねてあたらしきをしる)と言います。また欲窮千里目,更上一層楼(せんりのめをきわめんとほっして,さらにのぼるいっそうのろう)とも言います。中国語を学び文学研究によって視野を広げ,考える力や調べる力,伝える力などを高めた先輩たちは,就職や進学などそれぞれの道へと進んでいます。●現在の研究テーマ1. 現代中国語(共通語)における動詞・副詞の振る舞い,またそれに関連する時間表現に興味があります。中国語は現在・過去・未来といった時制を示す動詞表現を持ちませんが,一方動作の段階(完了・経験・持続etc.)を示すアスペクト表現,更には動詞に後続する補語成分で動作の結果や方向を細かく示したがるという特徴があります。これらについて日本語と対照する手法を主に用いて考察しています。2. 現代中国語(共通語)と日本語の間にある,親族呼称や家族関係表現の違いも興味があります。古き時代に漢民族の文字=漢字が日本語に取り入れられたことにより,多くの中国語由来の語彙が日本語の中に入り込んでいますが,言語が異なると,その語彙が示す概念もやはり幾分異なったものになります。同じ植物の種子であっても蒔かれた土壌が異なると違った姿に育つように,語彙もそれが置かれた言語によってまた違った性格を示します。その違いを考察し明らかにすることを目指しています。伊藤 加奈子 教授●現在の研究テーマ1.中国における戯曲小説の変遷    中国の古典劇を,戯曲とよびます。それは元朝の時代(1206-1368)に,急速に発展しました。一方で,小説ということばは,ふるくは『荘子』2.文学と芸能や出版との関係    たとえば『三国志演義』は明代(1368-1644)に完成の域に達します。三国時代(220-280)から千年以上のあいだに,史実が文学へと姿をかえてきたのです。そのプロセスには,芸能や出版の影響がみとめられます。こうした文学と芸能や出版との関係について,近世(宋~清代)を中心に研究しています。氏岡 真士 教員她妈”が「妻」となるときとは?」『信州大学人文科学論集』4号VP2”の訳し方をめぐって―」『信州大学人文科学的时候現代中国語学中国文学比較言語文化コース比較言語文化コース

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