農学部研究紹介2025-2026
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/5独自のアイデアと最新技術で、脂肪酸やビオチンを生産するコリネ菌が初めて誕生した。現在、生産効率を高める研究を行っている。ゲノム情報や代謝マップなど、生命のビックデータを活用し、最新のテクノロジーを駆使して研究を行っている。高高谷谷 智智英英 准准教教授授博士(医学)。ミネソタ大学研究員を経て、2015年より現職。「動く細胞」である筋肉に魅かれて、骨格筋や心臓の疾患・再生の研究を行ってきた。専門は幹細胞生物学。医農連携の新しい研究を開拓していきたい。⾷品微⽣物⼯学研究室竹竹野野 誠誠記記 准准教教授授2005 年 に 同 助 手 、2015年より現職。研究分野は応用微生物学や代謝工学。ンンシシオオミミマウスの骨格筋幹細胞(0日目)から筋肉細胞(4日目)への分化を捉えた顕微鏡写真。細胞のダイナミックな変化は幹細胞研究の大きな魅力であり、醍醐味です。骨格筋幹細胞を活性化する新規分子の一例00日日目目野野視視明明核核ココリリネネ菌菌のの電電子子顕顕微微鏡鏡写写真真野野生生株株22日日目目44日日目目ビビオオチチンン生生産産菌菌脂脂肪肪酸酸生生産産菌菌分⼦細胞機能学研究室これまで石油から作られていたものを微生物発酵法で生産する、そんな環境調和型のバイオプロセスが開発できれば、 地球環境は美しいままでいられるでしょう。高価なものや希少なものを微生物バイオテクノロジーで効率的に作れるようになれば、より多くの人がそれを享受できるようになるでしょう。そんな未来づくりに少しでも貢献したい、それが池田・竹野研究室の原動力です。池田・竹野研究室では、研究力や専門性はもちろん、目的意識をしっかりと持って物事をやり遂げる姿勢を身につけることができます。大学院に進学してさらに研究を続ける学生が多いのが、この研究室の特徴です。多くの卒業生が、バイオや食品関連の会社で研究者や技術者として活躍しています。研究から広がる未来当研究室では、様々な幹細胞を用いて、組織が再生する仕組みを研究します。また、幹細胞を活性化する分子を探索し、組織の健康を保ち、超高齢社会の克服に役立つ食品や医薬品の開発も目指します。私たちが発見した、骨格筋の分化を誘導する分子は、筋疾患や再生医療への応用展開も期待されています。筋肉は、食肉としても身近な存在です。筋肉の研究は、家畜・家禽による食肉の生産とも深く関係しています。マウスやヒトの研究で得られた成果を、ニワトリなどの家禽でも展開しています。卒業後の未来像幹細胞生物学の知識や技術を学びながら、研究テーマに関連する医学・生物学を勉強することで、広い視野から問題を解決する能力を養います。卒業生は、製薬・食品などの各分野で活躍しています。研究から広がる未来卒業後の未来像自立した生活を送ることができる「健康寿命」を維持するためには、運動器(筋肉や骨)の働きが不可欠です。加齢や疾患に伴うロコモティブ症候群(筋萎縮や骨粗鬆症)の克服は、超高齢社会において重要な課題です。私たちの研究室では、幹細胞生物学の知識と技術を駆使して、加齢や疾患の背景にある生命原理の解明に挑んでいます。また、運動器の機能を維持するための創薬を目指した分子の開発など、生物学・農学・医学・薬学の領域にまたがるユニークな研究を展開しています。(https://t-takaya.net/)池田・竹野研究室では、代表的な産業微生物であるコリネ菌を題材に最新のゲノム科学を取り入れて、高性能な発酵微生物の創製を目指しています。主なターゲットは、有用脂質とそこから合成されるビタミン(ビオチン等)です。現在、世界のビオチンは全て石油から化学合成法で作られています。発酵生産は誰も成功していません。『オリジナルで斬新なアイデア』にこだわりを持って、世界に貢献する世界初のバイオ新技術の開発に取り組んでいます。運動器の機能低下を予防し、斬新なアイデアで画期的な微⽣物を創製しよう︕⽣ 命 ・⾷ 品 科 学 コース⽣ 命 ・⾷ 品 科 学 コース健康⻑寿社会の実現を⽬指す

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