野外調査で収集したマツタケの子実体マツタケ培養株とアカマツ実生との共培養大豆ペプチドを摂取したマウスでは、脳海馬において神経栄養因子の産生が促進されている。モリス水迷路試験では、記憶学習能の改善効果が示されており、大豆ペプチドの脳機能保護効果が明らかになっている食品化学を専門とする研究室であり、女子学生も多く在籍している。研究成果は国際会議で発表し、高い評価を得た研究発表に対しては優秀発表賞などを受賞している山山田田 明明義義 教教授授学位取得後、林業研究機関でのポスドクを経て、1999年11月より信州大学農学部。難培養性きのこ類の培養系確立、菌根の構造と機能の関係解明、きのこ類の進化と生態系における役割の解明、人類のきのこ食文化に関心がある。片片山山 茂茂 教教授授北海道大学で博士号を取得後、カナダ・ゲルフ大学 博 士 研 究 員 を 経 て 、2008年10月より信州大学農学部。食品機能性成分のニュートリゲノミクス(栄養ゲノム学)に関心がある。修修士士課課程程近近藤藤葉葉月月ささんん国国際際会会議議ででのの授授賞賞 ((Canada))修修士士課課程程久久志志本本尚尚子子ささんん国国際際会会議議ででのの受受賞賞 ((USA))右右はは世世界界的的にに著著名名なな研研究究者者Dr.シシャャヒヒデディィ氏氏応⽤真菌学研究室⾷品化学研究室昨今、高齢者における認知機能の低下や認知症の発症が大きな問題となっています。また、医療費の増大や介護力の低下が深刻な問題になりつつあります。このような背景のもと、脳機能維持に貢献する機能性食品の開拓ニーズが高まっています。食品化学研究室では、老化促進モデルマウスを用いて食品成分の脳機能保護効果に関する研究を進めており、アンチエイジング(老化予防)が期待される機能性食素材の開発に向けて、企業との共同研究を行っています。研究成果は、健康栄養や医療などさまざまな分野への貢献が期待されます。研究室では「学生中心主義」と「世界に通用する人材育成」をモットーに研究指導しており、研究室全員が楽しく学べるよう努めています。卒業後は、食品・化粧品・製薬系の企業などに就職し、専門知識を活かして活躍しています。研究から広がる未来卒業後の未来像研究から広がる未来卒業後の未来像マツタケやトリュフを自在に操り、それらの商業的な人工栽培が可能になると、人々のきのこに対する認識や食文化は大きく変革するはずです。研究室では、これを単なる純粋培養系で達成させるのではなく、自然界の摂理に沿った樹木との共生体として利用していく道筋をつけたいと考え、調査・実験を進めています。また、きのこ類は自然界における物質循環で大きな役割を果たすことから、地球環境に関わるCO2問題、環境放射能問題、資源循環型社会の創出などにも関わりを見出す事が出来ます。きのこという小さな研究対象を通じて、現代と未来の社会を開拓していける人材の育成を理想に掲げています。微生物の探索、培養、遺伝子解析といった実験操作技術が身に付きます。また、森林や山野を安全に調査できる幅広い技術についても学ぶ事ができます。さらに、長野県の代表的な地場産業であるきのこ栽培産業に関わる最新情報を踏まえて、関連産業へ就職する際に役立てる事ができます。山田研究室では、マツタケをはじめとする菌根性きのこ類の生態解明と、その応用である栽培化に関する研究に取り組んでいます。菌根性きのこ類は培養が難しく、殆どの種では未だ人工栽培化に成功していません。また、生態が不明であったり、未発見の種も多いと考えられています。山田研究室では、広く国内・海外を対象に山野を駆け回り、野生きのこ類を収集しています。そして、分類や生態解明といった基礎的研究をベースに有望なきのこ類を見出し、植物との共培養を通じて子実体を形成させる人工栽培化技術を開発することを目指しています。食品化学研究室では、生体調節機能をもった機能性食素材の開発および分子設計に関する研究を行っています。具体的には、認知症予防効果、肌のアンチエイジング(老化予防)、花粉症や食物アレルギー改善効果などに資する食素材の開発に取り組んでいます。超高齢化社会を迎えた我が国では、高齢者がいつまでも“はつらつ”と輝き活躍する社会づくりが求められており、食品化学研究室では、健康長寿社会の実現に寄与する新たな機能性食品の創出をめざして研究を行っています。地域協創特別コース⽣命機能科学コース⽣命・⾷品科学コース兼任機能性⾷品が超⾼齢化社会を救うはつらつ⻑寿の実現に向けて⼭岳圏森林・環境共⽣学コースきのこと植物の共⽣現象︓菌根性きのこ類の基礎科学と⼈⼯栽培31
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