升升本本 宙宙 助助教教筑波大学で博士号取得、京都大学での日本学術振興会特別研究員を経て、2023 年 よ り 信 州 大 学 農学部に着任。専門分野は菌類学。特にきのこ・カビ・地衣類の野外での多様性や生き様に関心を持っている。三三木木 敦敦朗朗 助助教教信州大学農学部を卒業後、岩手大学(「持続可能な発展のための教育」の促進を担当)などを経て、2009年度より現職。博士(農学)。↑藻類と地衣共生するきのこ(Multiclavula mucida)を野外で探し出し、きのこと藻類をそれぞれ培養し、室内で共培養することで、地衣共生の仕組みを調べる研究の例。野外採集現場での聞き取り調査や、アンケート調査をおこなう小中学校での森林・環境教育の副読本も作成している分離培養培養株確立ゲノム抽出新規ゲノム解読と遺伝子発現解析により地衣共生に関わる分子基盤の解明を試みる応⽤真菌・きのこ学研究室菌類・きのこ類は、シイタケのように食材として利用されたり、コウボやコウジカビのように味噌や醤油などの発酵に利用されたり、私たちの生活を支えている存在です。また野外においては、木材や落葉の分解を通して、地球上の炭素循環に大きく貢献しています。こうした菌類・きのこ類を自らの手で探索し、観察し、培養することを通して、他の生き物との関わり合いに気付かされたり、新たな役割の発見につながるかもしれません。普段の研究生活やフィールドでの調査を通して、菌類・きのこ類を中心とした微生物の探し方や扱い方、観察の技法を身につけることができます。また、研究対象を自らの手で探索し、研究課題を設定する過程で、課題解決に必要な情報を収集・分析し、計画を主体的に遂行する能力を養うことができ、こうした能力は社会での活躍に役立ちます。森林政策学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像研究から広がる未来学生とともに、特用林産物を含む林業経営や林業の担い手の実態把握、木質バイオマスの利活用、林産物の販売、森林を利用した地域づくり・住民自治などを調査研究しています。それらに基づいて、森林・林業のあり方や新しい担い手養成について、地域の関係者のみなさんと考える取り組みもしています。卒業後の未来像公務員や、森林・林業関係の産業、大学院進学などです。いずれも、研究室で学んだこと、研究したことが活かされています。Bよく知られた菌類・きのこ類であっても、その分類学的実態や生態が既存の文献の通りとは限りません。また、記載分類以外の研究が活発に行われている菌類・きのこ類は少数であり、その機能が調査されたり、活用されたりした菌類・きのこ類はまだごく一部に留まっています。私たちの研究室では、各人が研究する対象の菌類・きのこ類を自らの手で野外で探し出し、培養することを第一としています。そして、それらの培養株が持つ多様な形質を評価するとともに、まだ世には知られていない特性を探索し、得られた菌類・きのこ類の遺伝資源を幅広く利活用することを目指しています。林業は、木材を生産するだけでなく、様々な素材・食料・燃料などを生産する産業です。また、森林に関係するレクレーションや文化を支える産業でもあります。当研究室では、森林・林業の新しい可能性を、地域の歴史や実践の中から探り出し、気候危機を乗り越える新しい社会の要素を明らかにすることを目指しています。小中学生むけの森林教育の学習資料を作成したり、森林との新しい関わりをつくろうとしている自治体や市民団体の活動に関わったりしています。そうした共同研究もお声がけください。http://astatel.net/lab/野外で多様な菌類・きのこ類を探索し、観察し、培養し、試験し、利活⽤する森林を活⽤した、ほんとうの意味で豊かな暮らしを考える⼭岳圏森林・環境共⽣学コース⼭岳圏森林・環境共⽣学コース29
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