10.12938/bmfh.2024-0046肉用鶏(ブロイラー)の高い成長率を支える飼料は、いろいろな効果を発揮する可能性を秘めている。ニワトリの組織から得た細胞モデルを用いた実験も展開している。(左)胚から単離し、コラーゲンゲル上で培養した腸管上皮細胞。(右)ニワトリ幼雛から単離した骨格筋細胞。DAPI ZO-1 徳徳武武 優優佳佳子子 助助教教信州大学にて博士課程を修了。東北大学大学院助教を経て、2022年12月より現職。専門分野は動物栄養学、栄養生理学。栄養を介した動物・細胞のストレス防除の研究推進を目指す。小腸上皮細胞腸腸内内細細菌菌叢叢解解析析((多多様様性性解解析析))小腸オルガノイド動物栄養飼料学研究室昨今では世界的に見て、動物のストレスや苦痛を減らす飼育(アニマルウェルフェア)に対する意識・関心が高まっています。動物栄養飼料学研究室では、ニワトリを対象とし、細胞・個体レベルで生じるさまざまな「ストレス」を減らすための研究に取り組んでいます。将来的にはエサを介した、生産パフォーマンスを高める技術開発だけでなく、動物の健康維持や、アニマルウェルフェアの推進へと発展していきます。ニワトリの飼育・解剖のほかに、細胞培養、遺伝子組み換えなど、マクロからミクロの実験を通して多角的なアプローチ能力が身につきます。卒業後は、食品会社への就職のほか、研究職を志す学生が多数います。分⼦⽣命⼯学研究室研究から広がる未来研究から広がる未来卒業後の未来像卒業後の未来像皆さんが毎日、口にする食事は、皆さんが意識しないうちに栄養として体に吸収され、血となり肉となり、健康的に生きることをサポートしてくれます。これは人だけでなく、家畜を含めた動物にとっても同じです。健康的な食事は動物のエネルギー源となり、免疫力を上げ、ストレスを軽減させることもあります。言わば食事は生命活動の万能薬です。私たち動物栄養飼料学研究室はそんな食事について、動物の健康と福祉を第一に考え、まさに万能薬のような飼料の提案を目指します。微生物共生で拓く「腸からの健康」【食品開発】日々の食を通じて、炎症の抑制・腸バリア機能の強化・短鎖脂肪酸の増産を促し、腸腸内内環環境境のの健健全全化化を図る食品群の創出を目指す。【飼料開発】腸内細菌の代謝を利用した、家畜種別・目的別に設計された飼料開発で、抗生物質・環境負荷を低減し成長促進・疾病予防を可能にする、““農農家家がが儲儲かかるる””次世代型飼料の創出を目指す。生生井井 楓楓 助助教教2021 年 に 信 州 大 学 農 学部で博士(農学)を取得。長崎大学NGSセンター特任研究員、東北大学農学研究科特任助教を経て、2025年4月より現職。専門は動物生産科学、畜産物利用学、乳酸菌科学研究活動は、課題設定から実験・検証を経て、その成果を発表する一連のプロセスであると捉えています。大学での研究を通じて、卒業後は「消費者」ではなく、「「研研究究者者」」ととししててのの視視点点ととママイインンドドセセッットトを持ち、活躍できる人材を育成したいと考えています。地球は微生物の世界であると言っても過言ではありません。動動物物のの腸腸内内もも、、微微生生物物ににととっってて重重要要なな生生息息環環境境のの一一つつです。一方で、動物は腸管バリアや免疫機能を通じて、腸内細菌の過剰な増殖を制御しています。腸内細菌は、このような環境に適応するため、多様な代謝機能を活用し、代謝産物を産生することで生存を図っています。腸と腸内細菌のせめぎ合いによって生まれるこのような動動的的ななババラランンススはは、、腸腸内内環環境境おおよよびび腸腸ののホホメメオオススタタシシスス形形成成にに重重要要な役割を果たしています。私たちは、このバランスの意義と機能を明らかにすることで、ヒトや動物にとっての「健康」とは何かを探究しています。B16⾷料⽣産システム科学コース⾷料⽣産システム科学コース動物の⽣体内機構に⽴脚した腸内細菌がもたらす腸の健康維持機構の解明を通じてヒトも動物も健康によりよい飼料開発を⽬指す
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