A反応液を精製して生成物を単離し、構造解析や活性試験を行います田田中中 沙沙智智 教教授授東北大学で学位取得後、北海道大学、帯広畜産大学を経て、2013 年10月に信州大学農学部に着任。専門分野は食品免疫学。健康の維持に役立つ機能性食品の研究に関心がある。筒筒井井 歩歩 助助教教北里生命科学研究所特別研究員、理化学研究所特別研究員を経て、2017年より現職。研究分野はケミカルバイオロジー、生物有機化学、有機合成化学、糖化学。マウスに摂取させて免疫状態を評価するマウスの脾臓から免疫細胞を単離信州の伝統野菜の一つである野沢菜と野沢菜漬けには、免疫機能を高める効果があることを見出しました。野沢菜により活性化した免疫細胞の様子浅漬け古漬けABDBC6細胞培養実験野沢菜合成実験の様子。マウスを用いた動物実験野沢菜漬け⾷品免疫機能学研究室生体内で起こる反応は酵素反応が主流ですが、中には非酵素的な生体反応も少なからず存在します。私たちの研究室では生体内で起こる非酵素的な新規化学反応と、生成する化合物の機能を明らかにする研究を行っています。実際、私たちの研究室では、試験官の中で生成した新規化合物と同じ化合物を細胞内物質として同定しました。さらにはその化合物が細胞内で生成する反応機構を明らかにしつつあります。将来は生体内で起こる化学反応を制御することで、疾患予防・治療、創薬開発などにも繋げていきたいと考えています。研究で扱う物質はペプチド、アミノ酸、ポリアミン、糖などの生体物質が中心です。そして有機合成、各種機器分析、細胞試験などの手法を用いて研究を行っています。機能性分⼦解析学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像研究から広がる未来生体物質を始め、自然界に存在する機能性物質は私たちの身体に有用なものばかりではなく、害になるものもあります。化合物そのものがもつ機能と性質を明らかにし、活性発現のしくみを明らかにすることは、生理現象の解明だけでなく、機能性食品や健康サプリメント、医薬品といった分野にも応用できると考えています。自然界に存在する化合物からヒントをもらい、有機合成の技術を使ってより有用な構造の化合物を作りだすことにもチャレンジしています。卒業後の未来像生体物質や機能性天然物の活性の発現やしくみについて有機化学の視点から研究します。有機合成、機器分析、生物評価などの知識や技術を生かし、大学院でのステップアップや化学品メーカー、食品会社、製薬会社を始めとする関連企業などでの活躍が期待できます。私たちの体に備わっている免疫機構は、細菌やウイルスなどの病原体から体を守るために重要な役割を担っています。しかし、加齢やストレス、睡眠不足、食生活の乱れなどの様々な要因で、免疫機能が低下するといわれています。そこで当研究室では、マウスの免疫細胞を用いて、免疫機能を高める食材や食品由来成分を探索しています。また、免疫賦活効果を有することが証明された食材については、免疫調節作用の分子メカニズムを明らかにする研究を進めています。免疫賦活効果あるいは炎症抑制効果をもつ食品由来成分を探索・同定します。将来的には、感染症やアレルギー疾患、がんなどの免疫関連疾患の予防につながる機能性食品の開発を目指します。また、免疫機能を高める食習慣を提案し、健康長寿社会に貢献する先端的な研究を展開します。食品免疫学に関する実験を通して、細胞培養、タンパク質実験、遺伝子実験、マウス実験の手技が身につきます。卒業後は、食品会社、製薬会社への就職が期待できます。⽣ 命 ・⾷ 品 科 学 コース⽣ 命 ・⾷ 品 科 学 コース⾷と免疫の融合研究〜⾷⽣活の改善で免疫機能を⾼める〜有機合成化学から⽣命科学へ~⽣命現象の解明と有⽤物質の創⽣~
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