す。発達障がいに対する支援についてどのような取り組みをされているのか、お二方からお話をいただきたいと思いますが、まずは阿部知事、県としてはどのようにお考えでしょうか。阿部知事:県としては様々なサポート体制を充実させなければいけないと思っています。そのような意味では、この発達障がい情報・支援センターや「発達障がいサポート・マネージャー」※などの重層的な支援体制をこれまで作ってきています。 発達障がいを持っている方たちが置かれている状況や環境は様々ですので、多く発達障がいを病気と捉えるのではなく、神経学的な“個性”と捉えることが重要。(本田)の皆さんに発達障がいについて知ってもらうことは重要だと思います。そしてそれと同時に教育や福祉といった分野で発達障がい者へのサポートに携われている方たちの専門性や知識を引き上げていく必要があります。これまでも取り組んできていますが、一層充実させていきたいと思っています。センター長をはじめとして、センターの皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。※発達障がいサポート・マネージャー(サポマネ):全年代、全分野における発達障がい者支援の知識及び経験を有し、各圏域の実情に応じ、発達障がい者に直接関わっている支援者に対して総合的な助言及び必要な支援への橋渡し等を行う者。(「長野県発達障がいサポート・マネージャー整備事業実施要綱」から抜粋)長谷川アナ:こうしたお話を伺いますと、発達障がい情報・支援センターの役割がますます重要になってくるかと思うのですが、本田センター長は、知事のお話を受けて改めていかがでしょうか。本田センター長:そうですね、県の役割として、発達障がい者当事者のご家族など、発達障がい者を支援する方へのサポートの役割がとても大きくなってくると思っています。現状では、発達障がいの支援者へのサポートは主に市町村の役割になっていると思うのですが、県としても支援者の育成や教育により力を入れていく必要があるかなと思っています。現在、センターで考えているのは、発達障がいに関する心理検査ができる人をもっと増やし、より身近なところでしっかりと発達障がいの評価が受けられるようにしていきたいと思っているところです。また研修も、依頼をいただければ可能な限り伺うようにしたいと思っていますので、お声掛けいただければと思っております。長谷川アナ:それでは最後に、お二人からそれぞれ一言ずつお願いしたいと思います。まずは本田センター長からお願いできますか。本田センター長:ちょっと希望を言ってもいいですか。サポート・マネージャーについては充実してきているのですが、残念ながら地域格差が生じています。現状は、県内の圏域ごとに1人ずつ配置するかたちになっていますが、圏域によって人口が少ないところと多いところがありますので、特に長野圏や松本圏といった人口の多いところは、サポート・マネージャーの支援が足りていないというのが実情です。できれば、その数をもう少し充実させていただけるとありがたいと思っています。阿部知事:本田センター長からのご要請については、しっかりと対応するようにしていきたいと思います。私としては、全ての県民の皆さんが希望を持って安心して暮らせる社会を作っていきたいと思っています。そのためには、今までの社会システムのあり方や今まで当たり前となっていたものを変革していかなくてはいけないと思います。教育のあり方も大きく変革をさせていきたいと思いますし、働き方も非常に画一的でありますので、発達障がいの皆さんも含めて様々な能力や個性を持っている人たちがもっと自分の能力を発揮しやすい働き方を経済界の皆さんと一緒に作っていきたいと思っています。様々な技術的・専門的な部分はこれからも本田先生をはじめとしたセンターの皆さんにご支援いただきながら取り組んでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。本田センター長:どうぞよろしくお願い致します。長谷川アナ:阿部知事、本田センター長、本日はどうもありがとうございました。対談は映像でもご覧いただけます。062024年発達障害啓発週間厚生労働省スペシャル対談
元のページ ../index.html#7