は、新しい価値を生み出していこうとする時代です。その中で、一人一人の持っている個性をうまく組み合わせていかないと、おそらく企業の生産性も上がらなければ社会も発展していかない。ですから、多様性が尊重される社会になっていかなければいけないわけですが、障がいも個性と捉えて社会の中で一緒になって色々な取り組みをしていくことができるような仕組みを作っていかなければと思っています。本田センター長:全く同感です。私がお伝えしたかったことを全部お話しいただきました。発達障がいの領域では、「ニューロダイバーシティ(神経学的多様性)」という言葉が最近のトレンドのひとつとしてあります。これは、発達障がいを治療しなくてはいけない病気と捉えるのではなく、神経学的な“個性”と捉え、その個性に合わせて発達障がい者の社会参加のあり方を考えようということです。まさに今知事がおっしゃったことと同じようなことを我々発達障がいの研究者も考えています。 特に発達障がいの方は、好きなことや得意なことで才能を発揮する方がおられますが、現代の画一的な社会ですと、全てを満遍なく中くらいにできる人が最も得をするようになっています。こうした中で、発達障がいの方たちはそこでハンディを感じることがあるものですから、そうではなくて適材適所というキーワードをうまく使っていけるといいなと思っているところです。阿部知事:発達障がいに限らず、社会側の価値観が変わらざるを得ない、あるいは変わらないと社会自体が分断されるような状況になってきているので、社会側を変えられるように我々も努力していきたいと思います。部分を変えていくことが、これから障がい者の方たちが生きやすく働きやすい社会を作っていく上で重要だと思っています。 こうしたことから、教育についても教育委員会と一緒に思い切って学校の在り方を変えていきたいと思っています。具体的思い切って学校の在り方を変えていきたい。子どもたちが多様な個性や能力、関心、特性にあった学びを得られるように。(阿部)には、子どもたちが多様な個性や能力、関心、特性にあった学びを得られるような学校を作っていきたいと考えています。 また、こうした中で、発達障がいがある子どもたちだけでなく不登校の子も多くなっています。これは、様々な要因があるとは思いますが、いずれにしても学校の現在のシステムに対して“NO”を突きつけているのではないでしょうか。ですから、私は学校側を変えていきたいと思っています。 これは社会についても同じことが言えます。日本では効率性を追求してきたことから画一的な教育を受けて画一的な行動をするというのが良いモデルとされていますが、これからは効率性を追求するというより05発達障がい者への支援の在り方について長谷川アナ:発達障がいについては、子どもの時と大人の時でそれぞれに生活上で困難なことがあったり悩まれたりされると思います。一方、関わる方の中にも接し方などで戸惑われる方もいらっしゃるかと思いま
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