信大NOW146号
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 講演の中で、手嶋勝弥 信州大学アクア・リジェネレーション機構長は、「当機構は、水および水素のあらゆる問題を解決することができます。信州大学が世界トップレベルの研究力を持つ“ARG分野の卓越性”、エコシステムを地域から世界に発信するという“イノベーション”、そして実証タウンによる“地域貢献”の3本柱で取り組んでまいります」と力強く宣言しました。具体的には、太陽光を特別な光触媒に通すことで、太陽光と光触媒で水を直接分解し、グリーン水素を発生させる「光触媒水分解パネル」を、飯田市に約5,000平米の面積で設置するなどの計画が進行しています。松本市南箕輪村伊那市飯田市長野市上田市信州大学、飯田市、南信州広域連合の共催で、2024年6月1日に長野県飯田市のエス・バードにて水循環・水素関連研究に関するシンポジウムを開催しました。このシンポジウムは、水を中心とする地域環境再生に関わる諸分野「アクア・リジェネレーション(ARG)分野」の研究に関する“実証タウン”の構築に向けて、南信州地域の住民や企業等を対象に信州大学の取り組みを知っていただくこと、どの様な未来社会を実現できるかを共に考えることを目的に実施しました。会場に350人、オンラインでも190名が集まり、水循環・水素関連の研究や実証タウン構築に対する高い関心と期待が感じられました。冒頭の挨拶で、中村宗一郎 学長は、「信州大学は地域中核大学として、地域と共に発展する広域連携のビジョンを持って取り組んでいる。ここ飯田市から発信できることが嬉しい」と実証タウンの始動に向けて、大きな期待と喜びを語りました。また、佐藤健 南信州広域連合長/飯田市長から、「水の研究がこの地でどの様な展開をしていくのか楽しみだ。地域や産業の活性化につながることを期待する」とご挨拶を頂戴しました。シンポジウムでは、信州大学が進めているARG分野の取り組みと研究内容について、以下のテーマで、4名の研究者による講演と旭松食品株式会社 木下博隆社長、多摩川精機株式会社 松尾忠則社長、ネスク イイダ代表・株式会社矢崎製作所 矢崎孝弘社長、長野県産業労働部 滝沢裕之次長をパネリストにお招きしてパネルディスカッションが行われました。・ 手嶋 勝弥 信州大学アクア・リジェネレーション機構長 「アースポジティブを目指す信州大学アクア・リジェネレーション機構の取り組み」・ 遠藤 守信 信州大学アクア・リジェネレーション機構/特別栄誉教授 「極超低圧高透水逆浸透膜〜地域、世界における水ソリューションと新産業創出への展開〜」・ 堂免 一成 信州大学アクア・リジェネレーション機構/特別特任教授 「太陽光と水から創るグリーンな水素エネルギー製造の実証研究」・ 瀬戸山 亨 三菱ケミカル株式会社/エグゼクティブフェロー 「化学品や燃料のカーボンニュートラル化に向けたグリーン水素の役割、使い方」佐藤 健 氏 南信州広域連合長/飯田市長中村 宗一郎信州大学長手嶋 勝弥アクア・リジェネレーション機構長遠藤 守信アクア・リジェネレーション機構/特別栄誉教授美しい南信州、飯田市座光寺エリア。リニアモーターカー長野県駅(写真中央部分)の建設が予定されており、現在急ピッチで地域インフラ整備が進む。この近くに信州大学の南信州飯田サテライトキャンパスがある。写真提供:飯田市堂免 一成アクア・リジェネレーション機構/特別特任教授瀬戸山 亨 氏 三菱ケミカル株式会社/エグゼクティブフェロー02富山県長野(教育)キャンパス長野(教育)キャンパス長野(工学)キャンパス長野(工学)キャンパス岐阜県伊那キャンパス伊那キャンパス愛知県新潟県群馬県上田キャンパス上田キャンパス松本キャンパス松本キャンパス埼玉県山梨県静岡県南信州でのグリーン水素と水循環研究の展開へ「アクア・リジェネレーション(ARG)分野」の研究に関する「実証タウン」構築に向け、地域住民の皆さんとシンポジウム開催2

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