信大NOW146号
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長野県はパン、麺、菓子など用途に応じた多様な小麦が開発され、なんと生産量1位の北海道に次ぐ6品種を栽培していることは、あまり知られていません。こうしたことから田部井さんは、県内製粉会社で運営する長野県製粉協会の取り組みの一環で、県産小麦の美味しさを知ってもらうためのイベント活動に携わっています。また、県産小麦の品質向上に向けた品質評価会への出席など、県産小麦を最大限活用できるよう力を入れて取り組ん志を持っていきいきと活躍する信大同窓生を描く本シリーズ。今回は長野市に本社を構える柄木田製粉株式会社の田部井ひろ美さんをご紹介します。おやきやうどんなどの粉食文化が根付いた長野県は、家庭でも小麦粉を使った料理を作る習慣が残っており、長野市の小麦粉購入額はなんと全国トップ。一方で小麦の県内生産量は19位(令和5年度、農林水産省「作況調査」)にとどまっています。長野県民が県産小麦で作った食パンを毎日1枚食べると、約1カ月半で食べきってしまう計算になるそうです。ロシアのウクライナ軍事侵攻などにより、食料の安定供給の大切さが一層強く求められるなか、“粉食文化県”の需給ギャップを埋めたい―、そのような熱い想いを胸に田部井さんは県産小麦地産地消の先頭に立って取り組んでいます。(文・平川 萌々子)「LFPながの」で様々な事業者と連携して活動する様子。右から5番目が田部井さん。でいます。2023年からは、農林水産省が推進する「LFPながの(地域食品産業連携プロジェクト)」に参画。これは、地域の農業資源を活用し新たな商品やサービスを創出09べいたみ培った志を胸に、社会で活躍する素敵な大人たち特色豊かな長野県産小麦普及に向け他業種と連携長野県産小麦の地産地消の旗手として注目されている女性が、信州大学の同窓生にいます。農学部卒業生の田部井ひろ美さんです。小麦製粉を中心に、様々なニーズに対応した商品を製造する柄木田製粉(長野市)の営業本部で、現在は業務用・家庭用小麦の販売ルート構築など、営業全般に関わる重要な役割を担っています。長野市、小麦粉の購入額トップも生産は19位…“粉食文化県”の需給ギャップを埋めたい!小麦地産地消拡大の旗手として活躍chapter.07さん柄木田製粉株式会社信大同窓生の流儀田部井ひろ美農学部卒業生

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