(チーフ:教授・田渕克彦)教授田渕克彦私たちの研究室では、脳の神経と神経の繋ぎめであるシナプスの形成や機能を司る遺伝子についての研究をしています。シナプスは、近年精神疾患の原因となる部位と考えられるようになってきています。シナプスで働く遺伝子を改変したマウスを作って、マウスの脳機能を調べることで、それらの遺伝子がどのような働きをしているのか、さらには精神疾患がどのようにして引き起こされるのかを解明します。このような研究によって、精神疾患の新しい治療法が開発されることに繋がります。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像(教授・菅野祐幸)病理学。なじみのない分野かもしれませんが、患者さんの病変部から採取した組織の中で何が起きているかを観察し、病気の正しい診断をつけることに加え、不幸にして病気で亡くなった方を解剖させていただき、死に至るプロセスを明らかにしていきます。臨床医とのカンファレンス、アドバイスを通して高度な医療に貢献しています。こうした診断の基礎を支えているのが、まさに疾患を身近にした病因・病態研究を行う病理学です。医師として患者さんの診断に関与しつつ、他科の医師に比べ格段に時間の自由がきく環境で先端の医学研究が行えます。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像シナプス形成因子ニューレキシンの遺伝子をマウスの小脳で働かなくすると(TKO)、小脳の形成不全が起きて小脳が小さくなる【写真またはイラスト・サイズ:横幅3.3㎝程度・レイアウトは自由・上下2つエリアに分けるマウスの神経細胞に遺伝子を導入している様子蛍光を発する遺伝子が導入されたマウス大脳皮質の神経細胞病理組織標本の病理診断トレーニング。上級スタッフとのマンツーマンの指導が基本です。倒立位相差蛍光顕微鏡による培養細胞の観察。基本の形態学に加えて、様々な研究手法をとります。(図)】・遺伝子改変精神疾患モデルマウスのシナプス機能の解析・シナプス形成因子がシナプスの機能を司るメカニズムの解明・神経細胞でのゲノム編集技術の開発・精神疾患の原因が解明される可能性があります。・シナプスを標的とした精神疾患の新しい薬の開発につながります。・精神疾患の遺伝子治療ができるようになるかもしれません。・医学研究者になることを目指します。・海外に留学して世界の研究者と同じ土俵で仕事をします。・大学の教員になります。・膠原病・血管炎・腎炎:原因不明の難病研究様々な病原微生物で活性化される自然免疫の側面から切り込んでいます。・EBウイルス関連疾患:リンパ球の悪性腫瘍や免疫病ほぼ全てのヒトがもつウイルスが一部のヒトに病気を引き起こします。・免疫のメカニズムを介した難病の予防・治療の道筋を着けるのが目標です。・免疫を抑制する先進医療での合併症を予防します。・医科大学/医学部の病理学研究室で診断に従事しながら研究を続けられます。・ヒト疾患研究に従事した経験は他のバイオメディカル研究に役立ちます。・病理部門をもつ大病院で病理医として勤務する道が大きく拡がっています。分子細胞生理学分子細胞生理学病理組織学病理組織学教授菅野祐幸42024-2025医学科研究紹介シナプスで働く遺伝⼦を研究し、精神疾患の原因解明、治療法の開発を⽬指します疾患を⾝近にした病因・病態研究
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