新規治療薬の開発のために日々研究している大学院生CT画像を用いて骨形態解析を行い、骨折リスクを予測ハンドヘルドダイナモメーター・等速性筋力測定装置を用いた筋力測定整形外科(骨・軟部)領域のがんは、発生頻度が低く症例数が少ないため“希少がん”と呼ばれています。そのためまだまだ診断法・治療法の開発は遅れており、不幸な結果となってしまう患者さんが数多く存在します。信州大学腫瘍班では、悪性骨腫瘍に対する新規治療薬の開発や抗がん剤を腫瘍に効率的に届ける方法の開発、悪性軟部腫瘍の新規診断基準の開発などの研究をしています。臨床分野においては、骨転移による病的骨折予防のためのCT画像を用いた骨形態評価や悪性軟部腫瘍患者の下肢筋力と術後機能予測などの研究をしています。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像研究・診療内容の概要信州大学医学部脳神経外科学教室では、「最先端医療を駆使して低侵襲手術・機能温存治療を行う」を一貫とした治療方針として、脳血管障害・脳腫瘍・脊髄疾患などに対しての外科治療を行っています。また、各関連病院と連携して高レベルの脳神経外科診療を行うことで、より多くの優秀な脳神経外科医を育成することも目標としています。各脳神経外科疾患ごとに、以下のテーマの研究を行っています。1.低侵襲手術アプローチ研究:頭蓋底深部の病変に対する治療のより安全なルート、手術方法の開発2.手術機器研究・開発:手術をより安全確実に行う手術器具の開発3.手術シミュレーション研究:静止および動画の三次元画像を、手術シミュレーションに応用できるよう開発4.微小脳神経外科解剖研究:より精密な脳神経外科手術が行えるよう、脳の局所の解剖の把握と研究5.術中神経機能モニタリング研究:機能温存のため、術中に電気生理学的手法を用いて神経機能の同定、評価の研究6.てんかん外科治療研究:手術方法や、ロボットを用いた脳深部電極留置や頭蓋内脳波解析における研究7.ロボット支援手術装置および手技の研究・開発:世界にさきがけ、脳神経外科手術における低侵襲を目指した手術支援及びロボットの開発、臨床応用研究8. 悪性脳腫瘍の遺伝子解析・研究:遺伝子解析を行い、最適な化学療法を探り悪性脳腫瘍の成績向上に関する研究【疾患班名】1.脳血管障害2.脳腫瘍(良性/髄内)3.機能的脳神経外科4.てんかん外科5.神経内視鏡治療6.脳血管内治療・悪性骨腫瘍に対する新規薬剤の開発・悪性軟部腫瘍における糖鎖遺伝子発現解析と組織学的悪性度診断基準の確立・溶骨性変化を伴う大腿骨病的骨折患者のCT画像を用いた骨形態評価・悪性軟部腫瘍患者の下肢筋力と術後機能予測整形外科領域のがんにおける研究は、その他の領域のがんと比較して遅れており、研究テーマは豊富です。新たな治療薬の開発や治療体系を確立することで、今もなお、がんで苦しむ患者さんの“未来を創る”手助けができます。整形外科領域のがんを専門とした医師は全国でも少なく、当教室で学ぶことで研究分野・臨床分野のどちらであってもエキスパートになれます。日本国内に留まらず世界で活躍できる医師・研究者を共に目指しましょう。運動機能学脳神経外科学脳神経外科学腫瘍 班24チーフ︓講師岡本 正則2024-2025医学科研究紹介希少がんに苦しむ⼈たちの未来のために〜新規治療薬・治療体系開発への挑戦〜最先端医療を駆使して低侵襲で神経機能を温存した脳神経疾患の治療を⾏う
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