工学部研究紹介2025
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<代表>超高周波電力電磁気工学との融合による超高周波CMOSパワーエレクトロニクスの創成(JSTA-STEP<産学共同(育成型)>)<分担>磁気異方性軟磁性材料を用いた高周波・電力変換用トランス・インダクタの開発(文部科学省革新的パワーエレクトロニクス創出基盤技術研究開発事業)<分担>センサネットワークおよびモバイル機器へのWPTシステム(戦略的イノベーション創造プログラム(SIP))<分担>100MHzスイッチング電源用磁心材料開発(JST未来社その他民間企業との共同研究、財団助成金複数件電⼦情報人類の最も貴重な資源の一つである電気エネルギーは、生成から消費に至るまでの配電・電力変換中に合計で半分近く失われています。特に消費者に近い電力変換段は効率が低くなりやすく、小型化や非接触化といった利便性向上の要望も強いため、課題が多いです。宮地研究室では、アナログ半導体集積回路設計をコア技術とし、磁気・無線分野といった他研究分野と連携しながら小型で高効率な電源回路や高度なセンサーを追求することで、電気エネルギーの損失を低減し、持続可能かつ利便性の高い社会の実現に貢献します。電子機器のサイズの3割近くが電源に関する回路やその冷却機構と言われており、高効率化、小型化、非接触化が進めば電子機器がさらに小さく、省エネになり、現在給電に必要なたくさんのケーブルが減ります。【【私私のの学学問問へへののききっっかかけけ】】大学入学当初は電子という見えない存在を扱った学問や仕事を何となくしたいと思う程度でした。研究室に配属されてから業界でトップを走り社会貢献する先生・先輩方を見て、そうなってみたいと思ったのが本格的に学びはじめたきっかけです。その後、この分野の学問体系の高い完成度と実用性(集積回路はダイナミックなビジネスの世界にも接点がたくさんあります)、裾野の広さを面白いと感じ、今に至っています。半導体、電機、電子部品、計測機器企業への就職が多いです。企業とほぼ同じ設計環境なので、修士以上は即戦力として評価が高いです。中途採用市場も大きく、上記企業以外にIT企業や自動車メーカーの設計者募集が増えてきています。高性能磁性インダクタを内蔵したインターポーザ上に電源ICを三次元実装した20MHz動作DC-DCコンバータの実証に成功。既存インダクタを用いた二次元実装より30%以上の小型化を実現しつつ、5V入力・3.3V出力・20MHz動作で86.0%の効率を得た。20MHz~50MHzで動作するインダクタ集積型電源としては世界最高クラスの効率。佐藤・曽根原研究室との共同研究。金沢工業大学との共同研究で世界最高効率(64.4%@26dBm)と世界最速応答速度(45.2us)をもつ5.8GHzRF無線給電受電回路の実証に成功。高効率GaAsE-pHEMTを使った整流器ICに適した高速動作・高耐圧バッテリーチャージャーSiICを使用。工場内の複数のセンサーに非接触で給電を行うアプリケーションなどを想定。教授宮地幸祐研究から広がる未来研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード集積回路設計・アナログ回路・パワーマネージメント・三次元実装卒業後の未来像最近の研究トピックス43東京大学大学院工学系研究科博士課程修了後、東京大学特任助教、中央大学機構助教を経て2013年度より信州大学助教。2024年度より現職。研究分野は半導体集積回路技術を用いた電源、センサー回路設計。アナログCMOS集積回路設計技術パワーマネージメント回路設計技術(高速DC-DCコンバータ、非接触給電、エネルギーハーベスティング用電源)新規磁性デバイス等異種デバイスとの三次元集積化技術<代表>次世代・高降圧大電流DC-DCスイッチング電源の基盤技術開発(NEDO官民による若手研究者発掘支援事業<マッチングサポートフェーズ>)<代表>高降圧・高電力密度集積ハイブリッド型DC-DCコンバータの研究開発(科研費基盤C)他<分担>高性能大面積3.xDチップレット技術の研究開発(NEDOポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業<先端半導体製造技術の開発>)会創造事業<低炭素社会>)他CADツールを用いた集積回路設計を通じて本物のチップの試作が可能測定時の風景(左)試作したチップが入ったケース(右下)チップを電子基板に実装して測定評価三次元集積実装したDCDC降圧コンバータ世界最高効率と世界最速応答速度をもつRF無線給電受電回路(左)バッテリーチャージャーDC-DCコンバータ(右)GaAs整流器システム⼯学科実実物物集積回路設計技術を⽤いて電気エネルギーを効率的に届ける

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