可視光応答型新規有機光レドックス触媒の設計開発(科研ホスホニウムベタインを用いたデザイン型マルチ機能触媒の「遷移金属/有機分子」二成分触媒系の開発による高度分子計算化学的スクリーニングを利用した有機分子触媒反応の設物質化学科戸田研究室では、新しい分子の設計・開発を行っています。医薬品・農薬などの原料となる低分子から材料化学に利用される高分子まで、身の回りには有機化合物がありふれています。「分子レベル」でのものづくりにおいて有機合成化学はその根幹を成す極めて重要な研究領域です。現代の有機合成化学はものづくりのツールにまで成熟しましたが、この分野のさらなる発展には「常に新しい分子をつくり、その性質を理解する」ことが不可欠です。未知である分子のふるまいを理解する方法として触媒反応に着目し、新規触媒反応系の開発に取り組んでいます。「触媒」は化学反応を自在に制御し、欲しいものだけを「選択的に」得る方法を与えてくれます。選択的な反応の開発は有機合成化学者に課せられた使命であり将来の化学界を考えれば、学術界のみならず関連産業にも大きく寄与するものと考えています。有機合成化学はものづくりの基本的な技術を習得するため幅広い分野で活躍することができます。研究活動を通して化学系・製薬系の企業だけではなく様々な分野において必要な能力を伸ばすことができるものと考えています。JJSSTT新新技技術術説説明明会会((22001188年年88月月99日日開開催催))「「環環境境低低負負荷荷なな有有機機触触媒媒」」でで発発表表ししままししたた!!→→東東京京化化成成工工業業株株式式会会社社かからら試試薬薬化化にに成成功功!!研究テーマの1つとして、テトラアリールホスホニウム塩触媒を用いた常圧下での二酸化炭素固定化を利用した環状カーボネート合成に取り組んでいます。「新規有機分子触媒の設計開発」と「有用物質の効率的合成」をキーワードに研究を行っています。量子化学計算(Gaussian)を利用した反応機構の解析も行っています。反応物生成物准教授⼾⽥泰徳研究キーワード研究から広がる未来研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績有機分⼦触媒・光触媒・物質合成・新規反応開発・グリーンケミストリー卒業後の未来像最近の研究トピックス【【私私のの学学問問へへののききっっかかけけ】】化学は高校生の頃から漠然と好きではありましたが、とりわけ有機化学に興味があったわけではありません。きっかけは、学部3年生の後期に有機化学の研究室に配属されてからです。最先端の研究に触れ、先輩がひたむきに研究している姿に強く感銘を受けたのを覚えています。それからは有機化学を通したものづくりの世界に魅了され、自分なりに分子を設計し、新しい有機分子触媒を開発できればと思うようになりました。研究室では、「研究の面白さと難しさ」を伝えていきたいと考えています。22東北大学理学部化学科卒、同大学院理学研究科化学専攻博士前期課程修了、同博士後期課程修了。博士(理学)。米国ヴァンダービルト大学博士研究員を経て2015年4月より信州大学工学部助教。2020年4月より現職。専門は有機合成化学。新規有機分子触媒の設計開発テトラアリールホスホニウム塩の触媒能探索ホスホニウムイリドの触媒能探索二酸化炭素固定化反応の開発可視光レドックス触媒反応の開発反応機構解析費:基盤研究C)+独立基盤形成支援水素結合ドナー・ホスホニウム塩複合型有機分子触媒の設計開発(科研費:若手研究B)設計(科研費:研究活動スタート支援)変換(科研費:特別研究員推奨費)上原記念生命科学財団研究奨励金有機合成化学協会研究企画賞(日本触媒)服部報公会工学研究奨励援助金本多英五郎研究助成若里会研究助成有機分子触媒下での逆電子要請型不斉1,3-双極性付加環化反応-方法論の開拓と確立(科研費:基盤研究C分担)「金属/酸」ハイブリッド触媒系における双極性化合物の立体選択的反応の開発(科研費:基盤研究C分担)計および開発(科研費:基盤研究C分担)何度も何度も反応を検討し条件を最適化していく。オイルバスを使い、反応の温度を一定に保っている分析装置(高速液体クロマトグラフィー)を用いて、反応の選択性を調べている遷移状態Publications:Chem.Commun.2023,59,700;Chem.Commun.2022,58,11819;Org.Lett.2022,24,4739;Chem.Sci.2021,12,10306;Chem.Commun.2021,57,3591;Chem.Eur.J.2021,27,10578;J.Org.Chem.2020,85,10980;J.Org.Chem.2019,84,15578;Adv.Synth.Catal.2018,360,2377;Org.Lett.2017,19,5786;ACSCatal.2017,7,6150;Angew.Chem.Int.Ed.2017,56,11936;ACSCatal.2016,6,6906;J.Am.Chem.Soc.2016,138,11038;J.Org.Chem.2015,80,6687.新しい分⼦をつくり、触媒反応を通してその性質を理解する
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