柔軟性と適応能力を生かして 信州大学ではグローバル化推進センターに所属し、日本語や日本の文化について学びました。それに加えて、留学にあたり私は二つの目標を持っていました。一つはスリランカの研究を日本で行うこと。そしてもう一つは日本で就職することです。担当の先生にその話をしたところ、信大の留学生就職促進プログラムに参加させてもらうことができました。日本での就職に必要なスキルを学んだほか、ジョブフェアなどにも参加し、多摩川精機と出会うことができました。最初にお会いした人事の方の印象もよかったですし、優れた製品を生み出し、海外へ展開していることも魅力的に感じました。その後、飯田市の本社を見学に行って、建物の美しさや周りの自然環境にも惹かれました。さらに、私と同じく信大への留学を経て就職したモ 日本に留学したいと考えたのは大学2年生の時です。大学の言語学科で日本語を専攻しており、言語の上達のためにはその国に直接行って学ぶことが必要だと思ったからです。 もともと高校生の時には観光業に興味があり、ガイドのような仕事をしたいと考えて大学へ進学しました。大学1年生の時には観光学、経済学、日本語を学び、2年生からは日本語を専門的に学ぶことを決めました。多くの言語がある中で日本語を選んだ理由は三つあります。一つ目は日本が先進国だということ。二つ目は、私たちの住むスリランカでは機械や車などをさまざまな国から輸入していますが、中でも日本の製品が長持ちで、質が良く評価が高かったこと。三つ目は、日本人の「時間を守る」という感覚に興味を持ったからです。スリランカでは、時間を守らないとまでは言いませんが、5分か10分くらいの遅れは許される雰囲気があります。でも私はそれがとても嫌でした。それらの理由から、日本についてもっと知りたい、日本語をもっと学びたいと考えるようになりました。 大学で学んでいるうちに「日本で就職したい」という新しい夢も生まれました。そして大学3年生の時、日研生プログラムで信州大学へ入学しました。ンゴル出身のナムーンさんという先輩がいたことも大きかったですね。ナムーンさんのFacebookで生活の様子などを具体的に見られたことで、日本で働くイメージが膨らみました。11語学力を生かせることもやりがいに 現在は、海外営業課でインドの担当をしています。代理店を通して来るお客さんからの要求に対して商品を紹介したり、交渉を行うのが主な仕事です。これまで学んできた英語力が生かせるのもうれしいですし、人とコミュニケーションをとるのが好きなのでやりがいがあります。 わからないことは一つ一つ聞いたり、確認をしたりしながら仕事を進めるようにしていますが、一度だけ、相談したことと異なる内容のメールを送ってしまうという失敗をしたことがあります。あとで先輩や上司に相談をして、すぐに訂正メールを送ったのですが、何がいけなかったのかを教えてもらい、次からは絶対にしないことを決意しました。そういう時、ただ叱るのではなく、課題としてしっかり考えさせてくれたところがとてもありがたかったです。 スリランカにいたころは、日本の企業に対して「ストレスが多い」というイメージを持っていました。日本の過労死などのニュースの影響もあり、外国では「日本の企業は人間関係や働きすぎでストレスを抱えることが多い」という印象を持っている人は多いと思います。でも実際に働いてみると、先輩や上司のおかげもあると思いますがストレスは全然ありません。先輩2人は「分からなかったら何度でもいいから聞いてね」と言ってくれますし、安心して仕事がしやすい環境です。また、ナムーンさんや同じ時期に入った日本人の同僚とも仲が良く、一緒にランチをしながら話をしたりと、毎日楽しく過ごしています。エシャーン マーリンダさんスリランカ出身多摩川精機 株式会社海外営業本部 海外営業部 海外営業課 ケラニヤ大学 現代言語学科 日本語科卒企業に入って活躍している元留学生~ 憧れだった日本就職の夢を叶え、次なるステージへ ~
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