農水省草地試験場・岐阜大・農研機構研究員を経て2005年4月より信州大学農学部。外来植物、雑草の分布・生態調査をベースにした植生管理技術に関わる研究を行っている。山岳科学研究拠点での業務も実施。渡邉修准教授荒瀬輝夫准教授帯広畜産大学大学院修了、京都大学大学院博士後期課程中退。民間企業を経て、2003年より信州大学農学部に赴任。博士(農学)、博物館学芸員。フィールドにおける植物分類・生態、統計学関連の教育研究に携わる。(観測用ドローンと自律飛行プログラムによる圃場センシング)(空撮画像処理によるアレチウリ群落の自動検出(赤))研究室所蔵の植物さく葉標本。北海道から九州まで、海岸・水域から高山に至るまでの植物を採集・保存し、教育研究に活用している。ヤマブドウ果房の調査(右上)、マタタビ果実の調査(右下)。富士北麓における植生調査のひとコマ(左)。(マルチスペクトル画像による水稲の葉色診断、●は成熟の早い圃場)100m雑草学研究室では、空撮画像や現地調査による外来植物の早期検出や作物の生育診断の技術開発の研究に取り組んでいます。グローバル化が進み海外との人的・物質的移動が頻繁になった結果、外国産の植物が多数侵入・定着し、農作物の生産に影響が出ています。農地や周辺環境の外来雑草の分布状態を高度なモニタリング手法を使って地図化し、対策が必要な場所を効率的に検出します。ドローンで取得したマルチスペクトル画像から、作物の生育状態のモニタリングを高精度に行い、生産環境の観測技術の開発を進めています。野生資源植物学研究室では、樹木だけでなく草本・シダ植物も対象として、食用・薬用・緑化(植生回復)など「野生植物を資源として活かす視点」で教育研究を進めています。そのための基礎として、植物の分類地理・生態の把握と特性の評価に取り組んでいます。鳥獣害や種子散布者としての位置づけで鳥類なども研究対象としています。常に農学を意識し、広い視野で問題に取り組むため、普段から他研究室と連携していることも大きな特色です。また、もともと農場・演習林を管轄する組織(AFC)にあったことから、これら学内フィールドの管理運営にも深く関わっています。農業従事者の高齢化や人口減少が進み、少ない人数で広い農地を管理する時代になりました。日本国内には外国産の雑草が侵入し、農業被害もでています。被害の大きな雑草の分布を早期に検出し、早めに対策を立てる必要がありますが、これを効率的に行う手法の開発を進めています。雑草対策は社会問題であり、各地の自治体、都道府県の農業試験等では雑草対策の業務がたくさんあります。農地や周辺環境の観測、雑草を見分ける視点、作物の生育状態をモニタリングする手法を習得することで、農業分野だけでなく様々な業種へ技術展開を進めることができます。フィールドにおける雑草調査、ドローンによるセンシング技術の習得を通じて、広い農地を少人数で管理するための技術の開発に関わることができます。マルチスペクトルカメラによるセンシング技術と高度な画像処理技術を修得するとともに、作物や雑草の生理生態特性の解明に繋がる研究を展開でき、先端技術を活用した仕事を展開できます。雑草学研究室野生資源植物学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像研究から広がる未来未利用・低い利用の野生資源植物の中には、すぐれた特性を有するものが数多く埋もれています。当研究室では、現在のところヤマブドウ・サルナシ・マツブサ・ウワミズザクラ(食用)、マタタビ(薬用)、陸生スゲ類(緑化)などを扱っており、採集・栽培・加工による地域産物化や、資源量の評価につながると期待されます。また、伊豆諸島の台風崩壊地に調査地を置くほか、大学構内に造成したビオトープを管理しており、長期にわたる調査をもとに緑化や植生回復の技術に一石を投じることが期待されます。卒業後の未来像植物分類・植生調査・資源評価の知見と技能をもとに、自然環境関連の公務員、教員、食品・緑化・環境アセスメント等の業界で活躍することが期待されます。24植物資源科学コース森 林 ・ 環 境共生学コース農業生産や生態系に影響を与える外来植物のモニタリングと生育診断食用・薬用から緑化まで野生の資源植物を学ぶ・活かす
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