繊維学部研究紹介2023 日本語版
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25バイオエンジニアリングコース機械・ロボット学科教員紹介五感は人類が生き残るために培われてきた感覚です。生まれてから死ぬまで付き合っていく感覚です。五感のうちの味覚や嗅覚は、様々な研究分野において生物学・工学的なアプローチが盛んにおこなわれています。これらの化学感覚のセンシングや再現技術は、人々の暮らしの豊かさ、医療などに多大な貢献をもたらす新しい技術となるでしょう。田原祐助助教岩手大学で学位を取得後、九州大学システム情報科学研究院、味覚・嗅覚センサ研究開発センター、五感応用デバイス研究開発センターを経て2021年4月から現職。専門は、センサ工学、バイオエレクトロニクス。2021年4月から研究室が発足しました。卒業生の人数は少ないですが、現状の進路(予定含む)は、建築系、光学機器メーカー、他大学院となっています。研究に対する、問題解決能力、コミュニケーション能力を重視した研究生活を送ってほしいと思います。研究から広がる未来卒業後の未来像味覚センサに用いる味物質受容膜(左)とそのイメージ(右)。味物質受容膜は脂質、可塑剤、高分子膜で構成。経時的な味の変化を検出するためのデバイスの開発を行っている。ポータブル味覚センサ。プラスチック基板電極に複数の脂質高分子膜電極を搭載させたマルチチャネル型センサスマートフォンにはマイクロフォン、タッチパネル、ディスプレイといった機能がついています。これらは物理センサと呼ばれ、人の聴覚、触覚、視覚に相当するセンサです。しかし、味覚、嗅覚に相当する化学センサ、さらにはそれらを再現する技術はまだ存在していません。これらの技術が実現されれば、世の中は全く違った世界になるでしょう。本研究室では、化学感覚をセンシングしさらには再現するデバイスの開発を行います。生物(バイオ)の持つ化学感覚を工学的(エンジニアリング)にセンシングし、さらに再現技術の構築を目指しています。社会に豊かさを提供するデバイスの研究をしています

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