繊維学部研究紹介2023 日本語版
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凝縮淡水海水20水蒸气イオン濃度海水淡水渡辺健太郎准教授東京大学大学院を修了後、大阪大学助教、東北大学准教授を経て、2020年3月から現職(文部科学省卓越研究員)。専門分野は半導体ナノ結晶工学(結晶成長、微細加工、顕微評価)。機械・ロボット学科機械・ロボット学科写真サイズ教員紹介CFRPは自動車・飛行機などの輸送機器、風車ブレド・太陽電池用のサブストレートなどのエネルギー機器、橋梁・トンネルなどの社会インフラまで利用され、応用領域が拡大しています。軽量・高強度なCFRPは省エネ・創エネに活用され、2050年のカーボンニュートラルの実現に貢献しています。また、海水淡水化、都市鉱山からメタル回収などのサステナブルな応用研究を展開し、SDGsの実現・循環型社会の形成を促進します。施建准教授信州大学大学院を修了後、秋田県立大学システム科学技術学部機械工学科助教を経て2022年より現職。主な研究分野は炭素繊維の表面改質によりCFRPの高強度化、新機能性材料の創製の関する複合材料工学、表面工学。材料・製品設計に携わる分野では常に材料の強度と環境に対する影響の両方を意識して開発に取り込めます。異分野のことでも勉強して自ら考えて,問題解決に向けて努力するようになります。また、グローバル化の視野とコミュニケーション能力を持ち、グローバル化の対応ができる人材になるでしょう。教員紹介学生さんには最初は密に指導しますが、最終的に自分の頭で考えて、自分で手を動かして試料を作製・評価し、結果を検討できるようになって貰います。渡辺研での経験は、卒業後、メーカーの技術者・研究者になっても活きることでしょう。機能機械学コース機能機械学コース研究から広がる未来卒業後の未来像研究から広がる未来センサーネットワーク化社会において、センサー(超音波探傷子など)やその電源としての環境発電デバイスは重要です。デバイスの新機能・高機能化を図る上で、半導体ナノ結晶の高配向・高密度配列は、高いポテンシャルをもつ材料群です。ナノ構造材料の開発とそのデバイス応用を双方向に考えながら、夢のような新機能/高性能をもつ材料・デバイスを実現させたいと思っています。卒業後の未来像同じサイズの鉄とCFRP板の重さ比較:鉄は約89g、CFRPは約20g機能性複合材料を用いた太陽光による海水淡水化自立ナノワイヤにナノ圧子で応力を印加しながら、ナノワイヤ局所の歪、歪変調バンドギャップ、電気特性を評価可能な独自装置。直径150nmの圧電体ZnO自立ナノワイヤ配列のうち一本に、ナノ圧子で曲げ応力を印加している様子のSEM観察。ナノワイヤは大きく弾性変形しており、機械的に強靭なことがわかる(弾性歪4%:通常の100倍!)。高さ4.35cm×幅7.5cm太陽光による界面蒸発機能性複合膜写真サイズ輸送機器から社会インフラまで軽量構造材料として炭素繊維強化複合材料(CFRP)の応用領域が拡大していて、CFRPの更なる高性能化が要求されています。しかし、炭素繊維の表面は平滑で化学的に不活性であるため、繊維と樹脂との接着性が悪く、CFRPの優れた力学特性を最大限に発揮できません。当研究室は様々な表面改質技術を駆使し、繊維の界面特性を向上し、CFRPの高強度化を目指しています。また、海水淡水化、メタル回収など社会に役立つ新しい機能性材料を創出し、みなさんの生活を豊かにする応用研究も行っています。高さ2.65cm×幅3cm渡辺研究室では、センサーや発電デバイスに革新をもたらす為の新機能/高性能材料として、電気伝導性を大きく変えられる半導体ナノ結晶と、その高配向・高密度配列に注目しています。具体的には、個々の半導体ナノ結晶が持つ特異で優れた性質(ナノ物性)を上手く引き出せるマクロな構造として、ナノワイヤ構造(1次元)、原子層シート構造(2次元)を有する半導体ナノ結晶を単位構造として、その構造自身・結晶の向き(配向)、構造配列を自在に制御した“高配向・高密度配列”に注目しています。また、半導体ナノ結晶が持つナノ物性を知るため、電子顕微鏡内で個々の構造を観察しながら物性評価する手法も開発しています。Na+Mg2+K+Ca2+複合材料の更なる高強度化と未来を豊かにする新しい機能性材料の創出半導体ナノ結晶の高配向・高密度配列構造を生かした新しいデバイス

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