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05信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター技術職員東 孝明 さん有限会社ムラタ 伊那ワイン工房取締役社長 醸造責任者村田 純 さん株式会社協同商事 コエドブルワリー代表取締役社長朝霧 重治 さんCOEDO香琳-Kourin-信州大学農学部の学生が栽培した農産物をワインに加工するお手伝いをしています。学生の教育や地域貢献が主目的である大学の酒づくりですから、一般的なワイナリーでは採算面から二の足を踏んでしまうことにもチャレンジできることに面白さを感じています。今回、新発売した「濃厚ナイアガラワイン」で採用している「氷結濃縮法」も、日本では手間などの点から取り組んでいるワイナリーは多くありません。しかし、手間を掛けることで、一般的なワインよりも魅力的なものになりました。原料を栽培した学生の喜びにも繋がっていればいいですね。COEDOは元々、70年代から有機農業に取り組んできた協同商事が設立した農業系ブルワリーです。サステナビリティは事業運営上の要素であり、さまざまに取り組んできました。信州大学の技術を活用して開発した「COEDO香琳-Kourin-」は、その最新の取り組みです。りんごの天然色素抽出液を原料に使用することで、果物由来の爽やかな酸味とベースのウィートエールが溶け合い、独特の風味に仕上がります。また、天然色素抽出液には抗酸化作用があるとされるポリフェノールを多く含む点も特徴的です。国内から販売をスタートしますが、この独自性は海外でもきっと評価を得るでしょう。改良を加えながら継続的に取り組んでいきたいですね。果実本来の美味しさや香りをそのままワインにできないかと考え、「濃厚ナイアガラワイン」の製法に挑戦しました。味わいは「アイスワイン」や「貴腐ワイン」に似た、より付加価値の高い濃厚なワインになりました。「アイスワイン」や「貴腐ワイン」のような、糖度が高く果実の美味しさや香りが濃縮されたワインを実現するために採用したのは、「氷結濃縮」という製造方法です。これは、果汁を時間を掛けて冷凍すると果汁エキスと水が分離する性質を利用し、濃縮果汁部分だけを使ってお酒をつくる手法。実は既に発売している「りんごワイン」でこの手法を採用しており、とても好評なためナイアガラワインでも採用しました。びっくりするくらい売れ行きがいいんですよ!信州大学の山ぶどうワインが出荷を待つところ(左から)山ぶどうワイン[山紫]/[山紫]プレミアム/山ぶどうワイン/ナイアガラWine/濃厚ナイアガラワイン/濃厚りんごワインりんご天然色素抽出液のビールへの加工の様子新製法企画者信州大学農学部ならではのひと手間や新しいことへの挑戦に面白さ他にはない独特の味、香り、見た目…海外へも発信できる自信作になりました!もっと果実本来の美味しさや香りを!「氷結濃縮法」に挑戦しましたメッセ応信大 美味しい

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