附属松本中6年次 実施報告書
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(4)必要となる教育課程の特例 (2)領域と教科の接続のタイミング ~領域における子どもの対象との関わり~ 【事例①】単元名:「もっと大きくなってね わたしたちのあい」 【2年 かがく領域】 年での英語科,技術科の設定の妥当性について研究開発を行った。 (「探究的な学び」,「探究的な学びのデザイン」については,令和3年度実施報告書を参照) ◆小学校低学年において新設した「学びの領域」の継続 ◆小学校高学年において新設した「英語」「技術」の継続 ◆中学校における「総合的な学習の時間」の充実や「教科等の総合化」への対応 ①小学校低学年における「学びの領域(ことば|かがく|くらし|ひょうげん)」新設への対応 ②小学校高学年における,教科「英語」「技術」新設への対応 ③中学校における,「総合的な学習の時間」や「教科等横断的な学習」の充実への対応 5 本学校園の事例と成果 (1)幼稚園~【遊び】目の前の子どもの「やりたい」を捉え,支え続ける保育者の有様 【事例①】年少たんぽぽ組 9月「どこに箱をつけようかな」(車作り遊び) T児は,空き箱の車を作って走らせるのが大好きであった。6月頃から空き箱をセロハンテープで貼り合わせて遊ぶ姿がよく見られるようになり,作る度に「見て,これくっつけたの」と笑顔で保育者の所へ持ってきて見せていた。夏休み明けには,同じ形の空き箱をセロハンテープでつなぎ,長い電車を作るというように,素材の形を見て,選びながら車を作る姿も見られ始めた。そこで,このように空き箱で車を作って遊んできたT児が,素材の形を選び,組み合わせながら,自分の作りたい車を存分に作ることのできるように環境を構成した。 保育者は,まず,T児の「やりたい」を捉えようと,遊ぶ様子を見守った。T児の遊びの姿から,保育者は,“T児はきっと素材の様々な形を見て,組み合わせを試しながら,T児の車のイメージに合う形の箱を使って作っていきたいのだな”と捉えた。そこで保育者は,形の違う様々な種類の空き箱やヨーグルトカップ,トイレットペーパー芯などを十分に使うことができるように用意することで,T児が,素材の形などを確かめながら,車のイメージに合う素材を組み合わせて車作りを楽しんでいくことができるようにした。 すると,T児は素材を組み合わせながら,電車や消防車など,様々な乗り物を作って遊んでいった。そうやって様々な形の箱を組み合わせて車を作っていくうちに,牛乳パックの両端とトイレットペーパー芯をガムテープで貼り合わせたり,折り紙をトイレットペーパー芯に巻いて好きな黄色にしたりするようになった。今までとは違う形の組み合わせで車を作ったり,色にも興味をもち始めたりするなど,これまでに無い遊びの広がりを見せ始めた。また,車をまっすぐ走らせようと,車に貼り付けた空き箱をはがしたり,「何付けたらいいのかな」とつぶやきながら素材を選び,車の前方に,ストロー,竹串,ペットボトルキャップでできたタイヤを付けることで,後方のタイヤとバランスがとれて安定することに気付いたりしていた。このように,素材を選ぶだけでなく,素材を貼り付ける位置も工夫し始める姿が見られるようになっていった。 【事例②】単元名:「スーホの白い馬」 【1年 2年 ことば領域】 小学校2年生の「かがく領域」では,クラスで藍を育てた。子どもたちは,「大きく育ってほしい」という願いを持って,藍とかかわっていった。枯れている藍を見つけた子どもたちは,「自分たちもせまいと手を伸ばせないから,藍も困っている。」「藍は,私たちとちがって,動けないんだよ。」と,藍を「お引越し」をさせてあげたいという願いを持って,探究を進めてい- 5 -

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