附属松本中6年次 実施報告書
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Ⅱ 研究開発の経緯 年次ごとの実施内容の概要を,以下の表1に示す。 令和4年度研究開発実施報告書(要約) 1 研究開発課題 本研究開発の目的は,持続可能な開発のための教育として,「たくましく心豊かな地球市民」を育むために,自己表現力・課題探究力・社会参画力を軸として,様々な資質・能力を有機的・総合的に育む,幼小中一貫教育の教育課程の効果的な実践の要件抽出と評価の開発である。 信州大学教育学部附属幼稚園・松本小学校・松本中学校(以下,本学校園)では,これまでに教科や総合的な学習の時間等に関する数多くの実践研究を積み上げてきたが,それらが各学校園における取組の実現にとどまり,幼小中を貫く系統的な展開がなされていない傾向が見られた。そこで私たちは,本研究開発を通じて,本学校園の教師の指導観や,それに基づく実践を精査し,学びの主体者である子どもの12年間の豊かで確かな学びを支えようとしてきた。4年間の指定期間の中では,幼稚園・小学校・中学校を通じて「たくましく心豊かな地球市民」を育成するために,まず小中の全教員が幼稚園の保育を参観し,そこに見られる本校園の子どもの求めていきたい姿として,「自己表現している姿」「課題探究している姿」「社会参画している姿」の「3つの姿」を見出した。そして,「3つの姿」を共通の視点として子どもの姿を捉える中で見えてきた発達段階や学び方の特長に応じて「遊び」「遊びの領域化」「領域の教科化」「教科等の総合化」とした12年間の「学びの総合化」の教育課程を編成した。 3年間の延長期間においては,「『子どもから』に徹した実践が確かに子どもの資質・能力を耕すことに通じる」という研究の妥当性を高めるため,作成した教育課程の改善を行うことを研究開発課題とした。 2 研究開発の概要 4年間の指定期間で作成した“12年間の教育課程の全体像”に基づいて進めてきた研究を踏まえ,子どもが意欲を高め,その子の「やりたい」を深めながら,各自が持つ資質・能力を育成するための教育課程の編成と実施・評価改善を進めるための要件や方略を明らかにするとともに,体系化することを目指す。そのために,質的・量的データの収集と分析を行い,授業改善や評価を含むカリキュラム開発等を行う要件や方略を抽出する。併せて,「『子どもから』に徹した実践が確かに子どもの資質・能力を耕すことに通じる」という研究の妥当性を高めるため,作成した教育課程の改善を行う。 20 信州大学教育学部附属松本中学校 外2校(園) H28~R5 - 1 -

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