附属松本中6年次 実施報告書
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②小学校アンケート 保護者が本学校園の幼小中一貫のカリキュラムを編成しようとしていることや,「自己表現力・課題探究力・社会参画力の高まり」を実感していることがうかがえる。しかし,カリキュラム編成への説明については,今後もさらに丁寧に,必要な情報を十分に提供していく必要がある。 ③中学校アンケート 「自己表現力・課題探究力・社会参画力の高まり」を実感している保護者の割合は昨年度とほぼ同じであった。 一方,教育課程編成への理解,学校園の取組のあり方については,幼稚園,小学校と比べ,大きく低かった。中学校入学者の半分は,附属小学校からの入学であり,半分は他小学校からの入学者である。そのため,教育課程の編成について,入学当初や,文書等で情報を十分に提供していく必要がある。 10 今後の研究の方向 (1)領域から教科へ接続するタイミングの妥当性 令和4年度は,「ことば」「かがく」「くらし」「ひょうげん」の4領域のうち,「ことば」「かが く」について,子どもの学びの姿から,領域から教科への接続のタイミングについて小学校3年生になる時と考えてきた。しかし,「くらし」「ひょうげん」については,子どもの姿を捉えきれてはいない。今後は,領域から教科への接続のタイミングは小学校3年生になる時とする考えを念頭に置きつつも,実践を積み重ね,子どもの事実を捉える中で,「くらし」「ひょうげん」についても,領域から教科への接続のタイミングを考えていく必要がある。 (2)小学校高学年における英語科,技術科の設定の妥当性 小学校高学年における英語科,技術科の設定の妥当性については,中学校生徒及び中学校教員への聞き取りから,その妥当性について述べてきた。今後は,小学校で技術科,英語科を担当した教員が中学校を参観し,より多くの目で見たより多くの声を集め,検討していくことで,妥当性をさらに確かなものにしていきたい。 (3)12年間の教育課程『学びの総合化』の全体像 これまで用いてきた「12年間教育課程『学びの総合化』の全体像」は,すでに,これまでの研究開発の成果とは異なるものとなっている。特に,幼稚園にかかわった「遊び」と年齢との関連,領域から教科へと接続するタイミングと年齢との関連が,実際の学びの姿とは異なっている。これらを令和4年度の研究の成果を踏まえたものに改定していく必要がある。「遊び」については,それぞれの年齢において遊び方の特徴はあるが,それは,年齢が上がるにしたがって遊びが広がるということを示すものではない。しかし,「12年間教育課程『学びの総合化』の全体像」においては,その図の在り方によって,年齢が上がるに連れて遊びが広がることを表すものになってしまっている。また,領域から教科へ接続するタイミングについて(1)のように検討し,反映させていく必要がある。 (4)公開研究会を開催し,教育課程を評価する 令和元年度以来,幼小中の公開研究会は行ってきたものの,参加者を県内に限定しての開催であった。研究開発最終年度の来年度は,幼小中共通のテーマでの公開研究会を同一日に開催し,学外の教育学研究者及び来校者の意見等に基づき,本研究開発の評価を行う。 (5)子どもの学習状況のデータの蓄積と分析を個別最適な学びへ - 10 -

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