5年次 実施報告書
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‐48‐ で,他校園種で保育や授業を見合う機会が減った上に,お互いの校園種を行き来すること自体も減り,3校園の職員同士が距離を感じていることが,少なからず影響していると思われる。 コロナ禍とは言え,研究開発校として,定期的に合同職員会を開催し,職員同士が研究の方向を確認したり,実践について語り合ったりと共通理解を深めることにつながる工夫も行っているが,研究課題の達成度・進捗状況についての回答も,令和元年度肯定的に捉えている職員が,7割を超えていたが,本年度は,否定的に捉えたり,「分からない・回答できない」とする職員が半数以上を占めているのが現状である。 ただし「12年間の特別の教育課程は有意義だと思うか」という項目については,肯定的に回答する職員が多く,各学校園の園児・児童・生徒の姿からそのよさを実感している職員は依然多い。さらに,新型コロナウイルス感染拡大状況がいったん落ち着いた11月から,今まで行くことのできなかった他附属への研修機会も可能となり,附属学校園の職員として見分を広げる機会も得られるようになってきている。よって,新型コロナウイルス感染拡大が収まったところで,再度研究体制を整え,3校園として目指すところを踏まえ,研究内容の共通理解を進めていくことで,さらなる教師の意識の変容が期待される。 ①幼稚園アンケート(詳細は,別冊資料参照) 前回アンケートを実施した令和元年度と比べ,「教育課程編成への理解」「資質・能力の高まりの実感」等全ての項目で「1とてもあてはまる」の数値が減少している。昨年度から新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から,運動会,参観日等の行事を分散型にして実施したり,行事によってはやむを得ず中止としたりという状況が続き,保護者を集めて研究についての説明を行う機会を設けることができなかったことは,大きな要因のひとつとして考えられる。ただし,このように「カリキュラム」や「3つの資質・能力」についての説明を行うことができない中でも,子どもの「自己表現力」「課題探究力」「社会参画力」の伸長を肯定的に実感している保護者がどの項目においても,ほぼ90%を超えている。また,「子どもの思いや願いを大切にし,探究的な学びを工夫している」という項目に関しても,令和元年度と大きく変わらない数値となっている。これは,幼稚園からの日々の教育活動の発信によって,保護者が子どもの成長に理解を示している表れと考えられる。 よって,来年度以降,日々の教育活動の発信に加え,研究開発についての説明を行う機会を設けることで,日頃の子どもの様子を結びつけて理解する家庭がより増えると予想される。 ②小学校アンケート(詳細は,別冊資料参照) 教育課程編成への理解については,昨年度,「よく当てはまる,やや当てはまる」と答えた方が共に9割を越え,また,「よく当てはまる」と答えた方も共に5割を超えた。本年度もその傾向にある。また,3つの資質・能力の高まりについては,「よく当てはまる,やや当てはまる」と答えた方が全て8割を越えた。 しかし,幼稚園と同様,「自己表現力伸長の実感」以外の項目で「1とてもあてはまる」の数値が減少している。新型コロナウイルス感染拡大の影響は,大きなものがあったと考えている。そんな中にあっても,「ややあてはまる」を加えると全ての項目で8割を超えることから,子どもの成長を実感していることがうかがえる。 機会を見て保護者に授業を参観して頂いたり,参観後研究の内容等についての説明をしたりすることを通して,幼小中を一貫する特別な教育課程を編成しようとしていることや,「3つの力」を発揮して資質・能力を育む授業に取り組む姿勢に対する理解が高まってきたことがうかがえる。 4 保護者への効果ああああああああああああああああああああああああああああああ (1)本実践研究を保護者はどう評価しているか

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