5年次 実施報告書
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‐44‐ ③ 自己評価アンケート(園児・児童・生徒・保護者への意識調査)から ア 3~5(6)歳児 幼稚園は,園児自身での自己評価は難しいため,園児の姿を見とった保育者の記述や,保護者に行った教育活動にかかわるアンケートをもとにした。 幼稚園では,子どもの遊びの姿から,保育者が子ども一人一人の「思いや願い,問い」を捉え,その「思いや願い,問い」を支える環境の構成を日々行っていくことで,子どもたちが主体性を発揮し「自分で考え,判断し,決定する」という営みを持って遊びにうちこんでいる。 保護者からも「幼稚園では,子どもの願いが大切にされ,子どもにとって楽しい時間となっている」という項目において,全ての家庭が肯定的な回答(「そう思う,だいたいそう思う」)をしており,中には「子どもが納得できるまで遊びに集中できている」「自由遊びの時間が多く,子どもの主体性を尊重してもらっている」というコメントも寄せられている。 これは,園でも,家庭でも,子どもたちが個々の発達段階に合わせて,3つの資質・能力に関わる具体的な姿が見せながら遊びにうちこんでいることの表れとして考えることができる。幼稚園職員の中でも,発達段階に応じた3つの資質・能力について共通理解しながら,引き続き研究開発に臨んでいく。 イ 6~8(9)歳児 6~8(9)歳児では,広く4つの領域を設けると共に,上述にある,「子どもの願いや問いを大切にした活動」を位置付けている。 カリキュラムでは,子どもが,自らが抱いた願いや問いを実現・解決しようと,「ひと・もの・こと」に働きかけようとする際に,「算数で」「理科で」「図工で」「音楽で」といった,働きかける「枠」を狭いものとせず,「かがく」的な働きかけで,「ひょうげん」的な働きかけでといった,働きかける「枠」を広いもので捉え,子どもたち自らが願う働きかけを,「もの・ひと・こと」に対し,とことんまで追究していくことを保証している。これらを継続してきたことが,「3つの力」の高まりにつながっているものと考える。 以下に示すアンケート結果から,令和元年度と令和3年度とを比較したとき,「当てはまる,やや当てはまる」と答えた児童の割合については,新型コロナウイルス感染症の影響が把握できる。 自己表現力にかかわる項目「思いを表現する力」は,2.56ポイント上昇している。課題探究力にかかわる項目「情報を適切に活用する力」は,1.17ポイント上昇している。社 会参画力にかかわる項目「相手に関心を寄せる力」「協働する喜びを感じる力」については,それぞれ2.44ポイント,2.01ポイント上昇している。コロナ禍において学校に来られない日やオンラインによる授業の日,活動が制限されることが多くある中で,互いの思いや願いをやりとりし,人と関わって学ぶことの喜びを感じ取っているのではないかと思われる。 ウ 9~11(12)歳児 9~11(12)歳児では,広く4つの領域で学んだことを,より深く学ぶために教科を位置付けている。カリキュラムは,指導要領で位置づけられている教科だけでなく,子どもの「思いや願い,問い」を解決するために,新たに「技術科」も設けている。このようなカリキュラムを仕組むことで,とことんまで教科を追究していくことを保証している。これらのことが,「3つの力」の高まりにつながっているものと考える。 以下のアンケート結果から,令和元年度と令和3年度を比較したとき,「当てはまる,やや当てはまる」と答えた児童の割合が,自己表現力・課題探究力・社会参画力それぞれにおい

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