5年次 実施報告書
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小学校国語 ‐43‐ 中学校国語 さらに粘り強く問題解決に取り組む意志力や感情の自己調整能力,直面する対人関係的困難を乗り越える社会的スキルの育成にまで広めることを目指してきた。 そのようにすることで,子どもは自分の強みを生かし,問題解決の手順や方法を自覚し,整理し,どの状況で使えるか判断しながら,より質の高い問題解決を行うことができるようにもなってきていることが,以下のデータから見えてきている。 〇自己表現力に関するアンケート項目(令和3年度 実施) ・「学級の友達との間で話し合う活動を通じて,自分の考えを深めたり,広げたりすることができていると思いますか」(小学校89.7%/(令和元年比+1.2)全国78.8%,中学校87.3%(令和元年比+5.3)/全国76.7%*「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合計 以下同じ) 〇課題探究力に関するアンケート項目(令和3年度 実施) ・「課題の解決に向けて,自分で考え,自分から取り組んでいたと思いますか」(小学校92.7%(令和元年比−0.7)/全国78.3%,中学校87.3%(令和元年比−0.5)/全国81.0%)という結果を示した。 〇社会参画力に関するアンケート項目(令和元年度 実施) ・「算数・数学の授業で学習したことは,将来,社会に出たときに役に立つと思いますか」(小学校100.0%(令和元年比+1.6)/全国92.5%,中学校79.4%(令和元年比+0.9)/全国74.6%)という結果を示した。 以上のように,本研究を進めたことにより,それぞれの観点において,おおむね意識が高まっていることがうかがえる。 ②自己表現力・課題探究力・社会参画力を発揮して学ぶことで学習状況はどう変容するか 【令和3年度の全国学力学習状況の結果より】 上のグラフは,令和3年度の国語の全国と本小中学校の正答数分布を,全国平均は折れ線グラフで,本校は棒グラフで表したグラフである。(横軸が正答数,縦軸が割合)本小学校において,国語の全体的な傾向として,正答数の多い割合が,全国より高くなっている。その傾向は,中学校でも継続していると捉えられる。このことは,基礎基本を大切にしながら,自己表現力・課題探究力・社会参画力を軸に,様々な資質・能力の育成を図ってきたことによる成果とみることができる。また,全国の標準偏差と本校の標準偏差の差は,小学校において0.9,中学校において1.0となっており,いずれも全国よりも散らばりが小さくなっている。さらに,右に山がある分布になっており,本研究により小学校,中学校共に学力差が縮まり学力の高い方にまとまってきているとみることができる。

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