総合人間科学系研究紹介2024
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先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所研究から広がる未来卒業後の未来像久富 隆史 教授2010年3月東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻博士課程修了。スイス連邦工科大学ローザンヌ校博士研究員、東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻博士研究員、特任助教、助教、信州大学先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所准教授(特定雇用)を経て、2023年4月より現職。33光照射下で水を分解して水素と酸素を生成している粉末光触媒シート粉末光触媒の例超高効率に水を分解する光触媒粒子の電子顕微鏡像堂免・久富研究室では太陽光水分解用粉末光触媒と反応システムを研究しています。我々は(酸)窒化物、酸硫化物半導体材料に早くから着目し、水分解用光触媒として開発を進めてきました。これらの材料群には太陽光を利用して水を分解するのに適したバンド構造を有するものが知られており、光触媒の調製法と物性、機能の相関を詳しく調べながら性能の向上に取り組んでいます。また、粉末材料の特性を活かして大規模展開に適する反応システムの開発にも取り組んでいます。これらの研究を通じて、エネルギー・環境問題の解決に貢献します。粉末光触媒を利用したシステムは構成要素が比較的単純であり、安価なプロセスで大面積化できる可能性を秘めています。そのため、太陽光照射下で高効率に水を水素と酸素に分解できる可視光応答性光触媒を開発できれば、大規模ソーラー水素製造プロセスの実用化に向けて大きく前進し、化石資源に依存しない社会への転換が加速します。研究室では材料化学、物理化学、触媒化学、電気化学、半導体に関する研究能力や科学英語の教養を身に付けることができます。卒業生は主に化学系企業、製造業、研究機関に就職し、産業界・学術界を支えています。先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所総合人間科学系光触媒によるソーラー水素製造プロセスの実用化を目指して

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