総合人間科学系研究紹介2024
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研究から広がる未来卒業後の未来像研究から広がる未来卒業後の未来像仙石 祐 講師京都大学総合人間学部卒業、同大学院人間�環境学研究科修士課程修了、同博士後期課程研究指導認定退学。クアラルンプール大学マレーシア�日本高等教育プログラム講師を経て2018年信州大学に着任。留学生教育学会理事。浜野 充 講師近畿大学農学部卒、JICA青年海外協力隊、英UEA農村開発学修士課程修了、JICAジュニア専門員/技術協力専門家/草の根事業(カンボジア)、名古屋大学生命農学研究科博士課程修了、研究員を経て2015年信州大学農学部、2023年より信州大学グローバル化推進センター(現職)18UPM (マレーシアプトラ大学)とのオンライン国際共修プログラム日本で学ぶムスリム留学生は約14,000人と推計されている農村の現場で、聞いて、体験して、考えるネパールと日本で農業教育を比較GISを使って、水田畦畔法面の傾斜を測ってみよう!留学生が教育学部附属松本中学校の英語科の授業に参加している様子のアクターとして一緒に学びましょう!国内学生と留学生が、正課内外で意味ある交流を通して学び合う体験を「国際共修」といいます。この国際共修にどのような教育的仕組みを創れば学生に異文化間コミュニケーション力や相互理解の姿勢が身に付くのかに興味を持っています。特に、コロナ禍以降広まったCOIL型と呼ばれるオンライン国際共修プログラムや、大学生と小中学生との世代を超えた国際共修の実証的研究と教育実践を行っています。もう1つの研究テーマは、ムスリム(イスラーム教を信仰する)留学生の支援です。信仰に由来する行動規範が日本人の一般的なそれと異なる彼らが、生活・学習上の困難を克服し、勉強や研究に打ち込むことのできる大学環境整備の調査や支援を行っています。グローバル化推進センターグローバルそして地域の課題を知るためには、文献や講義から学ぶとともに、実社会で体験しあらゆるケースを比較することが重要です。海外協定大学との国際共修授業や地域開発学の調査アプローチで、長野県やアジア、欧米と比較し、その地域で営まれてきた農業や生活、環境・資源管理、組織活動、普及・教育活動を体験し、海外・地域の人々と交流しながら現状と課題や解決方法について実践的に学びます。オンライン地理情報システム(GIS)や社会調査手法を用いて、データ収集・分析・共有方法も学びます。グローカルに地域を比較しながら、持続的で幸せな社会を構築するためグローバル化推進センター適切に設計された国際共修を経験した学生は、オープンな心や柔軟な考えと行動など、様々なスキル・能力・姿勢が身に付くと考えられています。またムスリム留学生に限らず、学びたい、研究したいと願う人ならば、誰でも思う存分に能力を発揮できる場こそが大学のあるべき姿であり、そのような環境の構築に少しでも貢献できたらと考えています。国内学生も留学生も、ますますグローバル化が進みかつ混迷の度合いを深める世界において、自らの文化的な基盤や専門性をコアにして、山積する問題の最適解を見つけ、世界を少しでも良くすることに力を尽くしてほしいと思います。グローバル化の時代、欧米、アジアと地域が直接つながり、互いに学び合い比較体験を経て、自分が育った地域や農村の農業・産業・経済・生活スタイルの特性や課題に気づくことができます。そのためには、日本の地域社会での人と人の関りの中で主体的に体験し学ぶこと、海外の農村社会の営みに触れ、体験しながら学ぶことの両方が必要です。また、海外の大学に交換留学して、住んで・生活して・学習することも推奨しています。グローバルな視点を持ちローカルな課題解決思考・協働力を育てると、日本・世界のどのような職種でも、強みや課題に気づき実践できます。私の専門は、農業・農村開発ですので、食・農・環境をベースに、仕事と生活、発展と幸福を考え続け、持続的な社会を構築していく人材育成を目指しています。総合人間科学系グローバル化推進センター総合人間科学系グローバル化推進センター持続的で幸せな社会の構築目指す!信州と世界、グローカルな課題解決のフィールドで国際交流・教育・研究に取り組んでいます。・国際共修:国内学生と留学生の学び合い・ムスリム留学生支援

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