保健学科研究紹介2023
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―1―信州大学医学部保健学科長 伊澤  淳はじめに 私たち信州大学医学部保健学科の教員は、看護学、検査技術科学、理学療法学、作業療法学の4つの専攻において、授業や実習などの「教育」だけではなく「研究」を本務としています。では、私たちはどのような研究を目指すべきでしょうか?未知の探究、技術革新、社会課題の解決など、研究にはさまざまな目的があります。さて、日本の科学技術や学術研究の国際競争力を高めるために、成果を速やかに社会に応用する技術開発や、利益に直結するテーマが重視されるようになっています。確かに「選択と集中」による研究資本の集約と、競争力の強化は大切な戦略ですが、実は多様な領域における多面的な研究が広い裾野となって、日本の学術研究の発展を支えてきたはずです。特に地方の国立大学法人においては、自由な発想による個性的な研究が、長期的に次世代のイノベーションに繋がるのではないでしょうか。どの一つの研究にも意義がある「Every single research matters」と言えます。 この保健学科研究紹介2023には、4つの専攻の教員一人ひとりが取り組む研究の概要と、研究から広がる未来について記載されています。保健学の探究を志す皆様に、研究の魅力が伝わりますように願っております。そして私たちの一つひとつの研究が、日本の学術研究を推進する力となりますように、それぞれの発展を期待いたします。Every single research matters.

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