保健学科研究紹介2023
17/40

My助産師が伴走 「母親・父親になる」ことを支える方法の研究―15―芳賀 亜紀子 講師徳武 千足 講師長野県松本市出身。大学卒業後、信州大学で助産師資格を取得後、病院勤務を経て2006年に保健学科に着任。信州大学医学系研究科保健学専攻修了(保健学博士)。大学卒業後、信州大学で助産師資格取得のために学ぶ。卒業後、病院助産師として勤務し、2007年に信州大学医学部保健学科に着任。信州大学医学系研究科保健学専攻修了(保健学博士)。 日本の少子化は深刻な課題です。子どもを産み育てることを躊躇する女性や、妊娠・出産後に孤立しうつ状態となる女性もいます。このような時代において、子どもを産み育てようとする女性を支える仕組みが必要と考え、『信州大学型My助産師支援センター』構築に関する研究に取組んでいます。 助産師が、女性の「My助産師」となり、伴走者として妊娠期から継続して支援することは、「女性が母親になる、男性が父親になる」ことを支え、持つ力を引き出し、その先の成長につながると考えます。 その他、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)や教育評価の研究にも取組んでいます。 近年は、少子化や晩婚化・晩産化、そして核家族化や育児の孤立化の問題等、母子やその家族を取り巻く環境が大きく変化しています。私は、母親とその家族が安心して子どもを産み育て、子どもが健やかに育つために、今現在どのようなことが問題となり、どのような支援が必要なのかに関心を持ち、研究しています。現在は、新生児や乳児の育つ環境や呼吸・循環機能の変化に着目して、母親への調査や子どもの生理的な指標を観察する研究を進めています。また、妊娠期から育児期にかけて継続的に行う子育て支援に関する研究チームの一員として、母親・父親になる支援についても研究しています。【信州大学型My助産師支援センターの構想】乳児の自宅に訪問し、心拍数や呼吸等の呼吸・循環機能を測定している様子子育て講座(妊娠期):パパ・ママに赤ちゃんの沐浴を教えている様子【子育ておしゃべり会の様子】子育て講座(1歳児編):親子で一緒に手型・足型アートを楽しんでいる様子研究から広がる未来 妊娠中のご夫婦を対象に、月に1回「子育ておしゃべり会」を開催しています。妊娠・出産・子育てについての話題、関心事、悩みなどを気軽におしゃべりする会です。助産師が専門職として支援する場だけでなく、地域において、妊娠・子育て中の母親・父親が集い、自助力向上・共助の場になります。 人と人がつながり、安心して子育てができる社会へとつながる研究をしていきます。卒業後の未来像 助産師として、病院や地域・教育機関・助産院の開業など様々な場所で活躍できます。人と関わる専門職として、様々なことにチャレンジし、自らが人として成長すること、関心事を追求することが望まれます。大学院での研究もその一つです。研究から広がる未来 現在は、主に妊娠期から育児期にあるご家族やそのお子さんを対象に研究を進めています。助産学や母性看護学の領域で研究を行うことは、女性や子どものライフサイクルのみならず、家族も含めて広く捉えることが必要です。この研究を続ける先には、安心して子どもを産み育てられ、子どもたちに明るい未来が待っているような社会につながること、さらに現代の少子化を打破していくことに役立つと考えています。卒業後の未来像 卒業後は、助産師や看護師として、病院や市町村、教育機関など様々な臨床現場で働き、活躍しています。医療や看護の発展を支えるためには、現場での研究も必要であると思いますので、是非、大学で研究の基礎や方法を学んでほしいです。母性看護学・助産学母性看護学・助産学親が安心して子どもを産み育て子どもが健やかに育つことを支えるために看護学専攻小児・母性看護学領域看護学専攻小児・母性看護学領域

元のページ  ../index.html#17

このブックを見る