研究紹介_2024_日本語版(工学部)
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機械システム⼯学科持続可能型⼩規模⽔⼒発電をめざして■流込式水力発電に適用する低コスト水車の開発■上水道の極低比速度地点向け衝動タービンの開発■小水力発電用除塵装置の開発■水圧駆動システム用流量制御弁の圧力流量特性の解明■水圧駆動システムの産業利用■空気圧を利用した非接触搬送装置の開発と内部流れ解析●マイクロ水力発電の実用化に向けた高効率開放型クロスフロー●クロスフロー水車のキャビテーションエロージョン特性の解明●低コスト・高性能プロペラ水車電装装置の研究開発(NEDO,民●低コストクロスフロー水車の開発(民間企業との共同研究)●小水力発電用無動力除塵装置の開発(民間企業,国立研究開発●レーザ導入ウォータージェット加工機に関する研究(民間企業●身近な流れで発電する環境調和型ナノ水車発電ユニットの実証●音波による噴流制御技術の開発(JST)●ナノ水車発電ユニットの高性能化等技術の開発(環境省)●水車導水部における自由表面流れの不安定性制御(科研費(若●水流の表面波動抑制による水車性能向上に関する試み(科研費93准教授飯尾昭⼀郎研究キーワード研究から広がる未来研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績⽔⼒発電・⽔⾞・流体シミュレーション・創エネルギー・キャビテーション卒業後の未来像最近の研究トピックス「水力」は、純国産の最大の再生可能エネルギーです。大規模な山奥のダムを思い浮かべるかもしれませんが、将来の水力発電は小規模かつ分散型です。近隣の小さな川や農業用水路の水を利用して、需要地に近い場所で電力を供給します。飯尾研究室では流体工学と流体機械の技術を活用し、地域の持続可能性を考慮した水力タービンや関連技術の開発・導入を進めています。CFD解析、ラボテスト、現地試験を通して、水力発電所への導入までを学生と取り組んでいます。小規模水力発電は、全発電方式の中で最もライフサイクルCO2排出量が少なく、地球温暖化対策の観点でも注目されています。持続可能型の小規模水力発電の実現に取り組んでいます。地域での電力確保はエネルギーセキュリティや地域経済循環の観点から非常に大切です。守り育てられてきた地域の水資源を地域のために発電に利用するこの取り組みは今後広がっていきます。【私の学問へのきっかけ】私は小さい頃から機械いじりが好きでした。その「好き」を優先して大学に進学し、機械工学の分野に魅了されました。伝統的な流体機械の領域において、固定概念にとらわれずに自由な発想で社会に貢献できることを実感しています。学生達とともにアイディアを出しながらの研究活動は私のエネルギー源です。水車、水力発電関連機器、自動車、プラント、ポンプ、空気圧機器、空調設備、工作機械、電力会社等の機械や電機関連業界への就職が多く、研究開発、生産技術、設計、商品企画などの『ものづくり』担当のエンジニアとして国内外で幅広く活躍しています。◎開発した新型水車と取水効率を向上した新型無動力除塵装置が長野県須坂市の発電所に導入されました(2019年度)(新エネルギー財団「水力発電の導入促進のための事業費補助金(水力発電実証モデル事業)」)◎科学技術振興機構(JST)のエネルギー・環境新技術説明会で上水道での発電に適した新型水車をご紹介しました宮崎大学博士後期課程修了後、信州大学助手、同助教を経て、2011年より現職。研究分野は流体工学、流体機械。特に、水力発電用のタービン開発,高性能化,振動騒音抑制などに取り組んでいる。水車の最適形状研究(科研費(基盤研究C))(科研費(基盤研究C))間企業との共同研究)法人との共同研究)との共同研究)研究(NEDO)手研究B))(基盤研究C))2019年に開発した新型水車のCFD解析結果(左)とラボ試験の様子(右)[国内外3大学、2企業との連携研究]湧水で発電する開放形貫流水車(左)と、温泉から自噴するジェット水流で発電する衝動水車(右)。それぞれ電気柵と衛星電話の電源に利用二次元バーコード

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