研究紹介_2024_日本語版(工学部)
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⽔環境人造黒鉛を用いた融雪舗装に関する研究(民間企業との共同土砂災害防止に用いる排水用不織布の不均一性と圧縮クリー土系舗装の凍害劣化におけるX線CT画像解析と細孔径測定に圧密履歴の異なる粘土の収縮特性とその骨格構造の予測への空洞膨張論を用いたジオグリッド補強土の応力・変形分布の70准教授河村隆研究から広がる未来研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード機能性⼟系舗装・融雪舗装・地盤補強技術・不飽和⼟の⼒学特性・斜⾯保護技術卒業後の未来像最近の研究トピックス河村研究室では、最も身近な土木施設である舗装、橋や建物などの構造物を支える地盤を対象とした研究を実施しています。歩行者用舗装として公園や歩道に適用されている土系舗装は、高い保水性のため積雪寒冷地ではひび割れなどの凍害劣化が懸念されています。凍害劣化に強い土系舗装に必要な材料や施工法の開発を目指しています。また、長野県北部の豪雪地帯では、高齢化や過疎化のため除雪作業が住民や自治体にとって大きな負担となっています。舗装の熱伝導率を高めることによって環境負荷を低減したハイブリッド融雪舗装の開発も目指しています。これらは、地元企業との共同研究として実施しています。土系舗装、ハイブリッド融雪舗装のいずれも、冬季において凍結しない路面を確保し、人や自転車がスリップ事故の発生を抑制することを目指しています。本研究の成果は、人にも環境にもやさしい歩行者用舗装として、健康長寿が望まれる高齢化社会へも大きく貢献できます。【私の学問へのきっかけ】中学生、高校生のとき、愛媛県から香川県に列車通学しました。通学列車の車窓から建設途中の瀬戸大橋や大橋に繋がる鉄道の高架化の工事を見て、「土木工学」という分野を意識するようになりました。子供の頃から図画工作やプラモデルなどの「ものづくり」が好きだった私にとって、土木分野は、つくるものが壮大で地図にも残る、つくるまでの過程も大規模である、ということで非常に魅力的でした。自分もそんな仕事に携わってみたいと思い、この分野を選びました。卒業生の多くは、国土交通省、県庁、市役所などの官公庁(公務員)、建設会社や建設コンサルタントなどの建設業界、JRやNEXCOなどの交通インフラ業界に就職し、土木技術者として地域や社会に貢献しています。大学院に進学する学生も年々増えています。初期状態凍結融解を繰り返した土系舗装サンプルのX線CT画像凍結して氷の中に閉ざされたサンプルをX線CTスキャナで撮影することによって、サンプルの膨張変形や内部クラックを可視化。サイクル数の増加とともに、膨張変形が大きくなり、内部クラックが発達していく。そのような過程を詳細に検討することができる。人造黒鉛無添加粒状の人造黒鉛を添加した無散水融雪舗装の表面温度熱伝導率の高い材料である人造黒鉛を添加したコンクリート舗装用を、長野県内で事例の多い無散水融雪舗装(舗装内に地下水を循環するパイプを敷設)に適用。屋外実験において融雪効果を確認した。九州大学工学部卒業、同大学院修了、信州大学工学部助手、学内講師、助教を経て、現職。主な研究分野は、積雪寒冷地に適した機能性土系舗装の開発、粘土の水分保持特性の評価、ジオグリッドを用いた地盤の補強など。土の保水特性と吸水特性の定量評価土木用不織布によるキャピラリーバリアの斜面防災技術への適用土木用不織布の長期圧縮特性の定量評価積雪寒冷地に適用した機能性土系舗装の開発X線CT画像解析を用いた土系舗装の凍結膨張による内部ひずみの定量評価と凍害劣化メカニズムの解明人造黒鉛を添加した高熱伝導コンクリートの開発研究)機能性土系舗装の寒冷地への適用に関する研究(民間企業との共同研究)プを考慮した透水係数の評価(科研費基盤研究(C))よる現象と機構の解明(科研費基盤研究(C))豪雨時の斜面防災技術のための高分子通気防水シートを用いたキャピラリーバリアの構築(科研費基盤研究(C))応用(科研費若手研究(B))補強材のクリープ変形に伴う補強土のせん断強度の増加特性の評価に関する研究(科研費若手研究(B))予測に関する研究(科研費若手研究(B))土系舗装の施工例ハイブリッド融雪舗装の融雪状況4サイクル目人造黒鉛10%添加10サイクル目人造黒鉛20%添加・⼟⽊⼯学科⼈と環境にやさしい-⼟系舗装除雪の苦労を解消-ハイブリッド融雪舗装

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