研究紹介_2024_日本語版(工学部)
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電⼦情報圧電セラミック単板の複合振動モードを用いた超音波モータK0.45Na0.55NbO3単相粉末及び,K0.4Na0.6NbO3とK0.5Na0.5NbO3の混合粉末から作製したK0.45Na0.55NbO3セラミックスのSEM画像。混合粉末を用いることで焼結が促進される。圧電セラミック単板の複合振動モードを用いた超音波モータゾルゲル法によるタンタル酸リチウム固溶体圧電性薄膜の開タンタル酸リチウム系固溶体圧電セラミック材料の開発(公混合粉末を用いたMPB形成・粒径制御によるニオブ酸カリウムナトリウムセラミックスの圧電性向上に関する研究(公益財団法人TAKEUCHI育英奨学会)58准教授番場教⼦研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード研究から広がる未来圧電セラミックス・グリーンマテリアル・超⾳波モータ卒業後の未来像最近の研究トピックス圧電材料は圧力を加えると電気(電荷)を発生し、電圧を加えると変形(伸び縮み)する材料で、超音波振動子、フィルタ、アクチュエータなどに使われています。番場研究室では圧電材料、特に圧電セラミックスに関する研究を行っています。現在用いられている圧電セラミックスの多くは環境や人体に有害な鉛を含んだものであるため、研究室では環境に配慮した鉛を含まない圧電セラミックスの開発を目指しています。セラミックスの特性は組成だけでなく、微細構造にも影響されるため、試行錯誤を重ねています。圧電材料は振動子や微小制御可能なアクチュエータなど様々な応用があります。材料はそれらデバイスの特性に深く関わっているため、材料開発は非常に重要です。材料から高機能デバイス、更には私達の便利な未来の生活が広がっていきます。卒業・修了生の進路は電力会社から電気機器メーカー、公務員まで多岐にわたっています。どのような分野でも活躍できる人材になれるようにと研究室では研究遂行能力や問題解決能力をしっかり身につけるように指導しています。大阪大学大学院工学研究科物質化学専攻博士後期課程を修了後、信州大学工学部電気電子工学科助手を経て、2006年より現職。研究分野は電子セラミックス。非鉛系圧電セラミックスの作製(KNaNbO3、LiNbO3、BiNaKTiO3)の開発(JSTシーズ発掘試験研究)光溶解を利用した色素増感型太陽電池用高比表面積半導体電極の開発(科研費若手A)発((財)村田学術振興財団研究助成)益信託林女性自然科学者研究助成基金)金属固溶タンタル酸銀及びニオブ酸銀セラミックスの作製と評価(笹川科学研究助成)圧電セラミックスの作製。プレス機を使って、粉末をペレット状に成型(左図)し、炉に入れ(右図)、1000℃以上で焼成することでセラミックスが得られる作製した圧電セラミックスの電気的特性の測定。温度や周波数を変化させて、誘電率や共振特性の確認を行うバイモルフ複合体写真。片側のバイモルフに共振周波数近傍の電圧を印加すると、下図のように変形する。このとき、金属面にプーリを接触させるとプーリが回転する。【私の学問へのきっかけ】特に考えず、なんとなくおもしろそうかもと思って進んだ工学部ですので、実験やレポート、テストでは苦労もしましたが、愉快な友人達や頼りになる先輩方に囲まれ、楽しく過ごすことができ、たまたま配属された研究室の教授からの勧めで博士課程に進学。気がつけば朝から晩、時には暗くなった大学内で夜中、朝まで実験を行い、実験そのものの楽しさや自分の考えが良い結果につながった時の喜び、原因を探求することのおもしろさを知り、この世界に!人生、何が起こるかわからないものです。システム⼯学科⼒を電気に、電気を変位にかえる環境にやさしい圧電材料を⽬指して

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