農学部研究紹介2023
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小林元准教授専門分野:樹木生理生態学信州大学農学部林学科卒業九州大学大学院農学研究院修士課程修了同博士課程学位取得後修了九州大学農学部附属福岡演習林勤務同北海道演習林勤務信州大学農学部附属AFC演習林勤務北海道大学博物館産官学連携研究院等を経て2009年4月より信州大学農学部。人工林生態系の生物多様性創出、生態系サービスの制御、その地域活用を目的とした『人の関わる森林生態学』に関心がある。手良沢山ステーションおよび西駒ステーションにおける卒業研究の風景高山帯での他大学との合同調査(西駒ステーション)人工林でも間伐により生物多様性を高められる。このような人工林は、より充実した生態系サービスを発揮できるが、コストも高い。山地帯から樹木限界までの植物分布は、20年前よりも標高50m上方にシフトしていた。森林は地球温暖化のセンサーになっている。森林環境生態学研究室造林学研究室城田徹央助教研究から広がる未来林業の発展と地球温暖化防止に貢献することを目的として、樹木の個体成長と森林の二酸化炭素吸収に関する研究を演習林を中心としたフィールドで行っています。卒業後の未来像大学院進学(信州大学、九州大学、北海道大学、東北大学)公務員(長野県、山梨県、広島県)高等学校教員企業(木材、製紙、商社、環境コンサルタント、土木コンサルタント、JA、アパレル、住宅製造販売、自動車製造販売、緑化)その他(森林組合連合会、森林組合、財団法人日本きのこセンター)研究から広がる未来私たちは森林生態学の立場から、変動する地球環境のなかで、森林と人間との関わり方を考えるための研究を行っています。森林生態系を理解する研究や、森林生態系を制御する技術開発を通じて、循環型社会の創出に寄与できます。私たちがターゲットとしている中山間地域は小さな自治体ですが、それは科学的な研究成果を政策に反映させ易いアクティビティの高いフィールドともなっています。卒業後の未来像森林生態系をモニタリングする能力、樹木の種を同定する能力、樹木の生き方を理解する能力が身に付きます。これらの科学的能力は、公務員や環境コンサルタントの分野において森林計画の策定と実行に活用されます。【研究室のテーマ】・樹木の樹冠構造と個体成長に関する研究・人工林の二酸化炭素吸収機能の評価に関する研究・人工林における施業効果の検証に関する研究・地球温暖化に伴う亜高山帯から高山帯にかけての炭素貯留量の変動および森林動態予測に関する研究・樹木の成長を決定する環境因子の抽出とこれに応答する樹体の生理メカニズムの解明・木曽五木の物質生産と環境応答機能に関する研究・立木の腐朽診断と被害発生予測に関する研究・木質バイオマス燃料の生産管理システムの開発造林学研究室では、森林の持つ諸機能を適切に発揮させ、生態系サービス(=自然の恵み)を享受することを目的に、樹木の挙動や森林の動態を、立地条件との関係から長期的に調べています。森林生態系は巨大なバイオマス、複雑な空間構造、多様な生物の相互作用によって特徴付けられる生態系です。その振る舞いを科学的な観点から観測し、地球温暖化の影響や、間伐等の施業の影響を抽出することで、森林生態系のグローバルな役割を長期にわたって維持させ、より良い人間社会の構築に寄与させることを、私たちは目指しています。森林・環境共生学コース森林・環境共生学コース木を見て森を知る、枝葉にこだわる『自然の恵み』を持続的に享受する~森林生態系と人間の営みの科学~30

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