農学部研究紹介2023
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農水省草地試験場・岐阜大・農研機構研究員を経て2005年4月より信州大学農学部。外来植物、雑草の分布・生態調査をベースにした植生管理技術に関わる研究を行っている。山岳科学研究拠点での業務も実施。叶戎玲助教雑草学研究室渡邉修准教授(観測用ドローンと自律飛行プログラムによる圃場センシング)(空撮画像処理によるアレチウリ群落の自動検出(赤))(マルチスペクトル画像による水稲の葉色診断、●は成熟の早い圃場)作物生産システム学研究室2015年10月来日、2023年3月東北大学大学院農学研究科博士学位(農学)を取得後、同年4月より現職。作物の生産性を向上させるため、栽培管理システムの開発に取り組む。海外研究も行う。研究から広がる未来卒業後の未来像研究から広がる未来卒業後の未来像雑草学研究室では、空撮画像や現地調査による外来植物の早期検出や作物の生育診断の技術開発の研究に取り組んでいます。グローバル化が進み海外との人的・物質的移動が頻繁になった結果、外国産の植物が多数侵入・定着し、農作物の生産に影響が出ています。農地や周辺環境の外来雑草の分布状態を高度なモニタリング手法を使って地図化し、対策が必要な場所を効率的に検出します。ドローンで取得したマルチスペクトル画像から、作物の生育状態のモニタリングを高精度に行い、生産環境の観測技術の開発を進めています。作物生産システム学研究室では、農業実践の精密化・最適化・省力化の実現を目指して、栽培管理システムの開発の研究に取り組んでいます。当研究室では、主に食用作物を研究対象とし、ドローンを中心としたリモートセンシングツールによる野外観察を行い、様々な栽培管理の状況で収量や品質に密接に関係する作物の生育情報を把握します。農業従事者の高齢化や人口減少が進み、少ない人数で広い農地を管理する時代になりました。日本国内には外国産の雑草が侵入し、農業被害もでています。被害の大きな雑草の分布を早期に検出し、早めに対策を立てる必要がありますが、これを効率的に行う手法の開発を進めています。雑草対策は社会問題であり、各地の自治体、都道府県の農業試験等では雑草対策の業務がたくさんあります。農地や周辺環境の観測、雑草を見分ける視点、作物の生育状態をモニタリングする手法を習得することで、農業分野だけでなく様々な業種へ技術展開を進めることができます。フィールドにおける雑草調査、ドローンによるセンシング技術の習得を通じて、広い農地を少人数で管理するための技術の開発に関わることができます。マルチスペクトルカメラによるセンシング技術と高度な画像処理技術を修得するとともに、作物や雑草の生理生態特性の解明に繋がる研究を展開でき、先端技術を活用した仕事を展開できます。研究結果により、作物栽培の経験と専門知識へ依存する度合いが減少できます。農業従事者の担い手が不足している状況下、新規参入を増やしたり、作業効率を高めたりすることができ、農業を持続可能とし、盛り上げていくのに大きく寄与すると考えています。現代農業技術の開発に関する研究を行い、スマート農業技術を活用できる人材を目指します。また、国際研究や交流を通して、海外の研究者とコミュニケーションを取り、国外の農業状況を把握でき、国際視野を持つ人材になります。リモートセンシング技術を用いた研究。熱赤外線カメラを用いたダイズ虫害の検出(左);RGBカメラを用いた塩害地域の分級マップの作成(右)。海外での現地調査。ラオスでの農地調査、ドローンを飛ばす準備をしている様子(左);カンボジアでの農家さんへのインタビュー(右)。100mB植物資源科学コース植物資源科学コース新栽培管理技術の開発で、農業生産や生態系に影響を与える外来植物のモニタリングと生育診断農業の明るい未来へ25

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