農学部研究紹介2023
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松島憲一教授信州大学大学院農学研究科修了後、農林水産省国際部係長、同省九州農業試験場総合研究チーム研究員、同省農村振興局専門官等を経て、2002年より信州大学農学部。博士(農学)。信州伝統野菜認定委員。左;有用形質を持ったソバ新品種の開発右;海外でのトウガラシ等の遺伝資源探索収集(カンボジア)左;様々な形質を持つ日本のトウガラシ在来品種右;胚培養技術等を用いたトウガラシ種間雑種の作出農学部近くの野良猫とアワの「猫足」の穂ヒエの根の蛍光顕微鏡画像作物学研究室松浦朝奈准教授大阪市出身、信州大学農学部園芸農学科卒業.乾燥地研究に興味を持ち,鳥取大学大学院で博士(農学)を取得.2021年12月より現職.作物学,作物生産生理学,作物生理生態学植物遺伝育種学研究室高齢化、獣害の増加などの様々な問題を抱える中山間地域において,トウガラシやソバ在来品種の活用、新品種の導入などを進めることにより、同様の地域におけるこれら問題を解決し、農業および食品産業の活性化を進めます。また、様々な有用植物資源の探索、収集、保全とその分類等を行うことは地域資源の利活用につながり、それらの地域内での利用・保全を進めることができれば、生物多様性の保全に貢献できるとともに、これら植物に関する伝統的知識の伝承や保全が促進されます。当研究室では植物の遺伝学育種学分野の研究、学習が中心になりますが、それら研究を実施するためには、作物の栽培、病害虫防除、分子生物学的実験手法さらには加工流通から文化的背景に至るまでの様々な分野の知識と技術が必要となります。さらに、国内外の農村地域での現地調査に参加する機会も多いため、幅広い視野を持った人材として成長することが期待できます。このような経験を積むことにより、卒業後は、公務員(研究職を含む)や、種苗会社、食品会社、農業関連企業などで活躍できる人材になります。研究から広がる未来卒業後の未来像「学びたい」「成長したい」という気持ちを大切にし、落ち着いてじっくり研究ができる環境づくりに取り組み、「本当の仲間づくり」をサポートしています.専門知識や技術を持ち、与えられた課題を克服でき、どのような職種でも信頼される人として活躍できる人材育成を目指しています。研究から広がる未来卒業後の未来像トウガラシやソバなどの新品種開発を目的として、それらの持つ有用形質の遺伝解析、胚培養による種間雑種作出、さらには優良系統選抜のための分子マーカーの開発などを実施しています。また、長野県内、国内はもとより、ミャンマー、カンボジア、ネパール、ブータンなどにおいて、遺伝資源や有用植物資源の探索、収集を行っている他、民族植物学的な現地調査も実施しています。これら収集系統は育種素材としての評価、DNAレベルでの類縁関係の解明などの研究に用いられています。砂漠化や温暖化の影響を受ける地域、耕作放棄地の多い中山間地域を対象に、スーパーフードとして知られる、アワ、キビ、ヒエなど雑穀の生産性の向上を研究しています.農学研究は,人類と地球の未来を対象にできる,深くて広い,興味の尽きない分野です.信州の大自然に囲まれて,日本の農業,世界の農業,そして地球の未来をとことん,考えてみませんか?これから地球に住み続けられるかどうかは,私たちが何を食べ,どのような生活をするか,どのような農業をするかにかかっています.地球の資源を使い尽くさず,環境を悪化させずに食料生産を続けるための,新たな「メタ知識(これまで誰も見たことのない知を生み出す知)」を身につけることを目標としています.育てて食べよう世界の雑穀!植物資源科学コース植物資源科学コーストウガラシ等の新品種開発および在来品種の復活等で、地域の農業と食品産業を活性化信州の大自然に囲まれて,地球環境の保全と食料増産に挑む24

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