農学部研究紹介2023
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上野豊准教授酪農専門農協勤務を経て、2012年2月~信州大学農学部助教、2018年10月から現職。専門分野:動物栄養学、応用微生物学もうひとこと:"きっと考えもつかないことは長大型飼料作物ソルガムの栽培利用で土地資源を有効活用した自給飼料生産放牧による省力的な家畜飼養地域未利用資源の飼料化(ヤマブドウ粕のサイレージ)いま*熱い研究テーマ⇒家畜からの地球温暖化ガス削減*2022年8月現在この研究室ではフィールドもラボも……そしてデータも使います!国内で飼育されている牛の胃から出されるメタンの量年間750万トンCO2換算草地畜産学研究室今井裕理子助教琉球大学(鹿児島大学大学院連合農学研究科)で学位取得後、企業勤務を経て、2020年4月より現職。専門分野は草地学、飼料学。生物資源研究室誰も教えてくれない"研究から広がる未来畜産物への消費者ニーズや評価軸は多様化しており、SDGsや持続可能な社会形成の観点からは、環境保全型の生産システムが求められています。また、働き方改革により、畜産業でも生産者の働き方に対する考え方や価値観が変わりつつあります。草地畜産を基盤とした研究では、自然の力と便利な機器をうまく利用することで、より省力的で安定した畜産経営、生産物や生産過程における新たな価値創造、担い手確保に繋がる生産システムの構築を目指します。卒業後の未来像フィールド研究を通じて、自然環境と人の営みの健全な在り方や関係性を維持する方法を考え、実践していく力を養います。自分なりの理想の社会像を持ち、課題発見と解決手段の考案・提案能力を身につけることで、職種や分野を問わず活躍できると思います。研究から広がる未来動物の栄養を考えるうえで、体の中にいる微生物の存在と役割について理解することが欠かせません。体内の微生物とうまく付き合っていくために動物は何を食べればよいか?そして何をしたらいいか?そんな調節方法が見つかれば、より健康で有意義な日々を送ることが可能になるかもしれません。卒業後の未来像公務員、民間企業(食品、畜産)への就職が主です。どのような道を進むにしても、毎日の食事に関心を持ち、資源(めぐみ)と生命(いのち)への感謝を忘れないでいてほしいと思います。資源循環型畜産の構築…どうやってどこまで減らす?ヤギも研究室のメンバーです胃液を分けてもらいますメタンを出す微生物を背後で操るのは誰だ?土-草-家畜による【秘技】デュアルタップミキサー1台で2本ずつチューブを混ぜるクアッドタップも!!「良牛は良草より良草は健土より健土は家蓄より…黒澤酉蔵翁」日本の畜産業では、穀物多給と輸入飼料に依存した家畜飼養が一般的です。その結果、輸入飼料由来の養分が排泄物として蓄積されることによる環境負荷や飼料価格変動による経営の不安定化などの問題が生じています。当研究室では地域資源を活用・循環させる畜産システムを構築することで、これらの問題解決を試みます。目指すは省力的かつ低投入で、家畜・人・地球の三方よしの家畜生産。牧草や飼料作物の生産利用を基軸に、家畜や土壌についても幅広く学ぶことができます。ところで、冒頭の言葉には続きがあります。ぜひ調べてみてください。従属栄養生物である動物が生きていくにはまず食べなければなりません。動物ごとに、生きる目的や、食べたものを自分の体に取り込む仕組みは異なり、必要な栄養やエネルギーも動物によって変わってきます。では、それぞれの動物にとって最も価値のある「食」とはいったいどのようなものでしょうか?わたしたちの研究のゴールはこの問いの答えを出すことです。実験台上で遺伝子や微生物と向き合うこともあれば、別の時間には、野外に出て牛などの動物と接することもあり、健康をはぐくむ豊かな食の実現と、家畜がその能力を発揮できる効果的な飼養法の開発に向けた研究に取り組んでいます。動物資源生命科学コース動物資源動物資源生命科学コース生命科学コースそれぞれの動物にとって最高のレシピを探そうフィールド科学で循環畜産を探究する11

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