研究の未来像:繊維構造形成過程を究明する研究によって構造が制御できれば、高性能タイヤ補強材や高強度フィルキーワード:高速溶融紡糸、複合繊維、メルトブローン&ニードルパンチ不織布研究概要タ-用中空糸など産業用材料として繊維の使える分野をさらに広げられる。また、最近の研究では非破壊で内部構造の観察が出来るXCT測定を用いることで不織布の構造を定量的に評価できることを明らかにした。E-mail: khkim@shinshu-u.ac.jp12合成繊維の製造方法において、最も基礎となるプロセスが紡糸および延伸工程である。複合繊維用紡糸機を利用して、芯鞘型複合繊維、海島繊維などの様々な複合繊維を製造し、また紡糸線上および延伸過程中において複合繊維の繊維構造形成過程を究明して、繊維の使える分野を医療、交通などに広げることを目指して研究を進めている。さらに2014年からは、マイクロX線CTを用いた不織布構造の解析に適用する研究にも挑戦している。この方法により、メルトブローンおよびニードルパンチ不織布の内部構造を非破壊で可視化し、断面内の繊維体積分率や繊維配向度と物性の関係を定量的に評価することに成功した。現在、この成果を元に繊維および繊維集合体の構造形成の制御により環境にやさしく、高強度&高性能繊維集合体に関する研究に取り組んでいる。韓国釜山大学繊維工学科卒業後、東京工業大学客員研究員、信州大学繊維学部のイノベーション連携センター助教、韓国特許庁特許審査官、繊維学部准教授を経て2019年より現職研究分野は繊維・フィルムなどの成形加工および不織布の構造解析、その他の専門分野は国内・国際知的財産権研究テーマ:繊維および繊維集合体の構造形成の制御により環境にやさしく、高強度&高性能繊維集合体の製造金慶孝教授KimKyoungHouお写真Fibers&Textiles 研究部門
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