2022 繊維学部研究紹介
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38教員紹介小山研究室では、小型燃料電池の薄型・軽量化を可能にする材料の開発に取り組んでいます。燃料電池がウェアラブルになれば様々な利用形態が可能です。例えばロボットやパワースーツの電源です。曲面にフィットできるフレキシブル性を活かし、外装を兼ねた電源とすることも可能です。また、バッテリーのように充電のための時間を必要とせず、燃料を充填すればいつでもどこでも再起動できます。工事現場、山林での作業、介護用へと期待は広がります。小山俊樹准教授信州大学繊維学部で助手・講師を務めた後、1998年より現職。生体での電子やイオンの働きをヒントに、機能高分子材料やデバイスの開発に係わる物理化学が研究分野。卒業生の多くは大学院修士課程に進学しています。そして,主な就職先は、化学材料や有機電子材料、電子デバイス関連の企業です。真摯に研究に取り組む姿勢はきちんと評価され、そして将来の自分に力を与えてくれるでしょう。教員紹介鈴木研究室では、誰も作ったことのない、機能性高分子微粒子の開発を行っています。流行を追うのではなく、10年、20年後に世の中を変える材料を生み出すことが大切です。生活を豊かにする工業製品のみでなく、高齢化社会に備えた、次世代医療製品にも繋がるナノマテリアルの創造を目指し、世界中の研究者と討論を重ね、新しい学問体系の構築を目指しています。鈴木大介准教授慶應義塾大学で博士(工学)の学位を取得後、ジョージア工科大学や東京大学での研究員、信州大学国際若手研究者育成拠点助教を経て、2013年より現職。専門は、高分子科学、コロイド科学、高分子ゲル微粒子。学生達には、自分の言葉で意見を述べ、世界で活躍できる人材になることを期待します。卒業生は、大学などの研究機関や、高分子材料を扱う幅広い企業(例:食品、化粧品、塗料、医薬品など)へ就職し、活躍しています。研究から広がる未来卒業後の未来像研究から広がる未来卒業後の未来像6セルを直列に一体成形した厚さ約4mmのフレキシブル燃料電池研究室で開発した材料を組み込んだ燃料電池は、その発電特性を評価装置でチェック。その結果を基に、さらなる改良を重ねます肉眼では識別できませんが、溶媒中に高分子ナノ微粒子が安定に分散しています。食品や化粧品などに応用されています。高分子微粒子は顕微鏡によりその構造を確認できます。合成技術を駆使することで表面や内部の構造を制御する事が可能です。独自に開発した直径150nmの極細炭素繊維不織布「CNW」電極小山研究室では、液体で供給したメタノールを気体として透過させる気化調整膜や、メタノールを透過させずに水素イオンを速やかに伝導する電解質膜などの機能性高分子膜の研究と、ナノファイバーの技術を応用したカーボンナノウェブ「CNW」の開発と応用に取り組んでいます。CNWは直径150nmという非常に細い炭素繊維の不織布で、物質拡散性を有するナノ集電層として大変有用な働きをします。これらを組み合わせることで、薄型・軽量でフレキシブルな小型燃料電池が実現可能です。ウェアラブル電源など様々な活用法が期待できます。鈴木研究室では、環境に配慮した高分子材料を扱っています。特に、有機溶媒を使用しないプロセスで、安心・安全の中、持続的に発展できる高分子微粒子を開発しています。高分子微粒子一粒は、肉眼では確認できませんが、塗料やインキ、化粧品、または先端材料の成分として、多くの製品に配合されており、私たちの生活を支えています。私たちのグループは、独自のコンセプトによる「合成」、最先端解析技術を駆使した「評価」、未来に役立つ材料開発である「応用」全てを行える、機能性高分子微粒子の総合研究所を目指し、研究を展開しています。化学・材料学科化学・材料学科環境に配慮した機能性高分子ナノ粒子を開発。ミクロな世界から機能をデザインする。薄くて軽いウェアラブルな燃料電池。ロボットやパワースーツの電源に!

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