2022 繊維学部研究紹介
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26バイオエンジニアリングコースバイオエンジニアリングコース教員紹介五感は人類が生き残るために培われてきた感覚です。生まれてから死ぬまで付き合っていく感覚です。五感のうちの味覚や嗅覚は、様々な研究分野において生物学・工学的なアプローチが盛んにおこなわれています。これらの化学感覚のセンシングや再現技術は、人々の暮らしの豊かさ、医療などに多大な貢献をもたらす新しい技術となるでしょう。田原祐助助教岩手大学で学位を取得後、九州大学システム情報科学研究院、味覚・嗅覚センサ研究開発センター、五感応用デバイス研究開発センターを経て2021年4月から現職。専門は、センサ工学、バイオエレクトロニクス。2021年4月から研究室が発足しました。前職での卒業生は、電力会社、分析機器メーカー、食品メーカー、自動車会社、半導体メーカーに就職しています。研究に対する、問題解決能力、コミュニケーション能力を重視した研究生活を送ってほしいと思います。教員紹介私たちが研究開発する生活動作支援技術が実現できれば、近年、医療・福祉分野において活発化している装着型ロボットの導入フェーズから、さらに日常生活レベルでの実用化へと展開することができます。これにより、要介護になるリスクを軽減し、高齢者等の日常生活動作(ADL:ActivitiesofDailyLiving)や生活の質(QOL:QualityofLife)の向上につながることが期待されます。塚原淳助教筑波大学大学院システム情報工学研究科を修了後、筑波大学サイバニクス研究コア研究員、ImPACTプログラム・マネージャー補佐を経て、2015年より現職。主な研究領域は、人支援技術、運動制御、ロボティクス。何事にも「無ければ創る」をモットーとして、専門分野という枠組みにとらわれず、人や社会のために何をすべきか自ら考え行動することのできる課題解決型の未来開拓者を育てていきたいと考えております。研究から広がる未来卒業後の未来像研究から広がる未来卒業後の未来像「着る」ように、気軽に身に着けられるロボティックウェアcurara®味覚センサに用いる味物質受容膜(左)とそのイメージ(右)。味物質受容膜は脂質、可塑剤、高分子膜で構成。経時的な味の変化を検出するためのデバイスの開発を行っている。ポータブル味覚センサ。プラスチック基板電極に複数の脂質高分子膜電極を搭載させたマルチチャネル型センサモーションキャプチャにより計測した人の歩行データを解析し、関節角度・筋張力・関節にかかる力などを計算歩行・起立動作支援スマートフォンにはマイクロフォン、タッチパネル、ディスプレイといった機能がついています。これらは物理センサと呼ばれ、人の聴覚、触覚、視覚に相当するセンサです。しかし、味覚、嗅覚に相当する化学センサ、さらにはそれらを再現する技術はまだ存在していません。これらの技術が実現されれば、世の中は全く違った世界になるでしょう。本研究室では、化学感覚をセンシングしさらには再現するデバイスの開発を行います。生物(バイオ)の持つ化学感覚を工学的(エンジニアリング)にセンシングし、さらに再現技術の構築を目指しています。超高齢社会を迎えた我が国にとって、運動器系の疾患により発症するロコモティブシンドローム(運動器症候群)は、介護予防や健康保持等を阻害する大きな社会問題のひとつです。このような問題を解決するために、『生活動作支援技術』に関する教育・研究開発を行っています。具体的には、日常生活の中で違和感なく簡単に使用できるウェアラブルロボット・デバイスの実現を目指し、人の全身運動特性の解析・理解、人の動作意思と機械をシームレスに繋ぐ推定手法、人の動きに合わせて支援する同調制御といった、人を中心とした研究開発に取り組んでいます。機械・ロボット学科機械・ロボット学科社会に豊かさを提供するデバイスの研究をしています『生活動作支援技術』の研究開発で、新しいライフスタイルを目指す

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