2022 繊維学部研究紹介
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12感性工学コース“着心地”、“座り心地”、“触り心地”、“使い心地”、“寝心地”、“乗り心地”、“見易さ”などの快適/ストレス関係を脳、心臓、筋肉などの生理反応や表情や身体の動作を計測することから評価できる方法について研究しています。快適感やストレス状態を伝える新しいコトバや指標が作れれば、快適で健康が持続できるモノや環境が作れるはずです。人が発するあらゆる情報を計測して、心地を伝える新しい尺度をつくる研究は、あらゆる産業から注目されています。つたえる―つたわる―つながる技術の提案が感性計測の研究です。生活に最も身近な衣服とテキスタイルを中心に「人の心を動かす価値」の解明を行っています。感性工学・ファッション工学の観点から、衣服の設計・評価方法を研究することにより、製品に対する評価や好みを決定する要因を探ったり、新しい価値を持つ製品の開発をしています。人の感性を科学することによって、新製品や新規ビジネスのきっかけとなる研究や、ものづくりの川上から川下までを考慮したものの設計・生産システムを研究しています。また、製品や設計の国際比較を通じて、設計・生産・市場のグローバル化に対応するための産業のありかたについても研究を行っています。教員紹介『考える被服:IntelligentClothing(IC)』の開発が将来の目標です。ICは着装者の健康データを24時間測り、快適/ストレス状態を見える化します。ICによって、人の快適/ストレスがいつも計測でき、着心地、乗り心地、座り心地、寝心地などの心地を見える化するだけでなく、自分の健康を保持するための予防医療・健康支援技術が可能になります。上條正義教授信州大学繊維学部助手、准教授を経て、2009年から現職。主な研究分野は感性工学、計測工学、生体システム工学など。よく学び、よく楽しむが研究室の合言葉。球技大会などイベントが多い。生理反応や心理反応を測定して製品を評価できる感性計測は、自動車、化粧品、寝具、住居、家電、文房具、情報などあらゆる産業で注目されています。様々な産業の研究開発、企画開発の技術者として卒業生は活躍しています。教員紹介繊維から糸・糸から布・布から衣服までの一貫した流れをコンピュータ上で設計・シミュレーションすることができるようになると、消費者のニーズに合った衣服を効率的に生産することが可能になります。将来は衣服だけでなくカーシートや工業用繊維製品など、多分野への応用が期待されます。また、開発中の自動立体裁断システムを用いることで、より手軽で安価にオーダーメイドの衣服の製作が可能であり、将来は個人対応のシステムが普及していくでしょう。高寺政行教授信州大学繊維学部助手、講師、助教授を経て、2006年より現職。主な研究分野はテキスタイル、アパレルの設計・評価とファッションにおける感性工学の応用。メーカーの商品企画や開発担当の技術者、教育機関、製品試験機関、研究所等のほか、感性工学の専門家として、情報メディア、家電、住宅機器等で活躍しています。感性工学コース感性工学コース研究から広がる未来卒業後の未来像研究から広がる未来卒業後の未来像「自分に合う寝心地が良いベッドはどれ?」ベッド選択支援システムを作るために寝心地を評価できる方法を研究しています「いい笑顔」「眠そうな顔」「疲れている?」表情から人の状態を推測できる評価技術を研究しています見た目・着心地・風合いの評価方法の開発「繊維から糸・糸から布へ」設計やデザインをコンピュータ上で上段:実物下段:シミュレーション三次元計測を用いた衣服設計と衣服パターンと物性を考慮した衣服シミュレーション先進繊維・感性工学科先進繊維・感性工学科感性計測:快適感を伝える技術をつくる!感性に科学的なアプローチあなたの好みの衣服には理由がある

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