「国土交通大臣賞」を受賞する東城幸治教授16信州大学・長野大学・佐久大学は、これまでも長野県内の高等教育機関で組織する高等教育コンソーシアムにおいて連携して参りましたが、本事業(令和4年度から5年間)の採択を受けて、地域や産業界から求められるDXの推進や循環型社会を見据えて総合的に未来社会を俯瞰し構想できる人材を輩出するため、地域のニーズに合わせた、地域学・データサイエンス・グリーンテクノロジー・地域課題解決PBL等の連携開設科目を新規に開講します。また、事業期間内に大学等連携推進法人を立ち上げて、同法人が連携開設科目等の運営を安定的に行う計画です。信州大学学術研究院(理学系)東城幸治教授が、河川基金(公益財団法人 河川財団)の助成を受けて2021年度に事業完了した全研究課題(研究者・研究機関部門の103課題)のうち、最も優秀な成果をあげた研究に贈られる「国土交通大臣賞」を受賞しました。山岳渓流に生息し、イワナやヤマメといった魚類やサワガニなどの底生動物を捕食する渓流生態系の上位捕食者のカワネズミ(トガリネズミ科)を対象とした保全遺伝学的研究に取り組みました。日本固有の希少種であり、夜行性で水中で狩りが行われるため観察されることは稀ですが、女鳥羽川や薄川などには比較的高密度で生息しています。トラップで一時捕獲(生捕り)し、採血した上で放逐することが困難であることから、糞便を採取し、排泄主の遺伝子解析する技術を確立しました。加えて、次世代シーケンサーを利用して鋭敏な分子マーカー(マイクロサテライト・マーカー)を独自に開発し、糞便試料から個体識別することを可能としました。文部科学省「地域活性化人材育成事業〜SPARC〜」に採択「カワネズミ糞を用いた非侵襲的DNA解析手法を駆使した保全遺伝学的研究」の成果により国土交通大臣賞を受賞東城幸治教授が
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