映画「モエカレはオレンジ色」最新情報!(2022年7月公開)の音楽を担当!09映画「午前0時、キスしに来てよ※」の音楽を担当するなど、音楽家として活躍する林イグネル小百合さんは、信州大学教育学部の出身です。在学中の北欧旅行が縁で、卒業後、スウェーデンに音楽留学。2013年に同国に拠点を移し、小中一貫校で音楽教師をしながら創作活動を始めました。翌年、坂本龍一氏がゲストディレクターを務める「札幌国際芸術祭2014」の都市空間のサウンド・コンペティションで金賞を受賞、その後の創作活動を続ける転機になったとのことです。2014〜2016年にはノーベル博物館がノーベル賞の授賞式に合わせて開く特別展に音楽作品を出品。近年は、日本の映画、テレビドラマ、CMの音楽をはじめ、空間音楽、パフォーマンスアート、舞台作品など、国境やジャンルを超えて活躍の場を広げています。そんな林イグネル小百合さんに、信大時代の思い出や現在の創作活動について話を伺いました。(2021年10月収録) 「国公立大学by AERA2022」(朝日新聞出版)インタビューより※主演・橋本環奈、片寄涼太。2019年全国公開、配給・松竹ピアノ自体を極めたいというより、音楽がどのように社会に関わっているか、人の感情に影響を与えるか、みたいなことにふわっと興味を持っていました。作曲も学びたいと話していたこともあったのですが、高校は進学校の普通科に通っていたので、センター試験を受けて自分の学力で入学でき、予算的にも国公立大学、音楽が学べるところ。進路については、母と毎晩のように話し合ったと思います。実は第一志望は他大学の新しくできたばかりの学科だったので、確か過去問が1年分くらいしかなく、音楽史や理論などの本を自分で借りて、部屋にこもって独学しました。塾にも通わせてもらっていましたが、大学受験のための勉強は本当に大変で、今思えばこの期間の独学は、⻝べるのも忘れるくらい没頭していたので、楽しかったんだと思います。信州大学(教育学部芸術教育専攻音楽教育分野)を選んだのは本当に偶然ですね。音楽科で後期募集があるところを当時担任の先生がいくつか提案してくれ、受験することになりました。ご縁だったのだと思います。信州大学を選択してよかったと思うことは何ですか? 他の大学に通っていないので比較できませんが、立地が最高だと思います。1年目は松本市、2年目以降は長野市なのですが、毎朝、善光寺さんの門が通学路でした。大学時代は自由な時間があるので、自然が近いとキャンプとか温泉とかも気軽に行けますし、もちろん個人差はありますが、都会に住むよりも、物より経験にお金を使う機会が増えるかもしれませんね。授業の合間に友人と善光寺の仲見世通りを散歩したりも、よくしていました。1年目だけ全8学部が同じキャンパスということで、最初に他学部の友人が増えたことと、北海道から沖縄まで全国各地出身の学生と出会えたので、面白かったです。雪を一度も見たことがない!という子がいたり、方言も様々で、国内ですが異文化交流のようでした(笑)。学生時代、進路についてはどのようにお考えでしたか?英語の授業も取っていたので、確か4年生の最後に授業が重複してしまって逃したのですが、あと美術史さえ取れば美術の教員免許も取得できるほど、2年間で絵画・彫刻・工芸・デザインの単位を取得しました。作ることが好きだったので、美術はものノーベル平和賞部門の音楽作品をノーベル博物館に特別展示。前夜祭では博物館で生演奏を行った(2015年)すごく楽しかったです。毎学期、なぜか時間割がオーバーするくらい複数の授業を詰め込んでプランして、申請しに行っていました。進路説明会みたいなのにも参加しましたが、新卒の仕組みや自己アピールの書き方等に違和感を感じ、就活は行わなかったです。教育学部では多くの学生が採用試験のための勉強を始めるのですが、スウェーデンのことを調べたり、英語を独学し始めたりしていました。教育学部卒業生信州大学に進学した経緯を教えてください信州から世界へ羽ばたいた音楽家さん林イグネル小百合
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